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過越までに司法制度改革一歩を目標と:連立与党
事項に述べるように、11週目に入る連立政権と、その司法改革法案に反対する市民との対立は、エスカレートしており、イスラエル国家が分裂するかのような動きにもなり始めている。
政権側も反対側も深刻なのである。連立与党は、20日、来月5日に始まる過越休暇までに、まずは、司法改革制度の中の最高裁判所の裁判官の使命に関する法案だけを可決することを目標にすると発表した。それ以外は、休暇後に論議するとのこと。
その裁判官選出に関しては、当初の法案では、どう考えても政権の意にかなった人物が選出される形であり、それにより、司法が行政の言いなりになるという恐れがあったわけである。
政権与党が集まって最高裁判官選出に関する修正案を検討
全国で司法制度改革法案に反対するデモがエスカレートし、警察や軍との一致も壊れ始めたことから、レヴィン法相のもと、ロズマン・憲法・法律・司法委員会会長が最高裁裁判官選出に関する法案の修正案を提出。与党議員たちが集まってこれを論議した。
それによると、最高裁裁判官の選考委員会の人数を9人から11人に増やす。このうち6人(連立3党から2人づつ)が与党議員ということには変わりはないが、野党2党から1人づつ2人と、最高裁判官と最高裁から3人となっている。
このメンバーで、最初の2回は、単純に過半数賛成を得る人物が、最高裁判官に選出されるということで、すでに11人中6人を維持する政権が推薦する人物になることが自然な流れだが、3回目は、過半数の中に与党と最高裁側の委員が含まれていることが義務付けられるとされる。
政権がそれほど長く続くというわけではないので、修正とはいえ、ほぼ政権が支配する形に変わりはなさそうである。野党側は、速攻、これを拒否した。
石のひとりごと
近年、国連でも民主主義の限界ということが見え始めている。多数決が、必ずしも民意を代表しないことがあるということである。
また、民主主義による選挙で、いったん、選ばれてしまうと、その政権の意志を変えることが本当に難しいという現状を、イスラエルは見せつけている。
前の選挙で、ネタニヤフ政権に投票した人々は、自分が支持投票した政権が、ここまでの分断をもたらすと考えていた人は少ないだろう。
この先、過越までの10日あまりの間に、どんな動きになっているのだろうか。司法制度改革にむけた、法案一つ目が、可決されるのか。それにどんな反発が出るのか・・。
一方で、町は徐々に過越の空気になっていく。海外に出ていく人も多い。何かの雑誌で読んだが、結局のところ、人間は本能に(楽な方に)導かれていくといいうことだった。
もしかしたら、過越の休暇が、政府にもデモ側にも一時のリセットとなり、その後、また違う視点で論議されることになるかもしれないとも思う。
ともかくも、過越までの次の2週間、平穏を祈りつつ、注視していきたい。