イスラエルでは、ネタニヤフ政権がイラン対策において、大きく方向転換していると分析されている。
ここ数ヶ月、ネタニヤフ首相とバラク国防相の発言は、今にもイランを攻撃しそうな緊張感にあふれていた。国民にガスマスクを配布し、戦争にはどう対処するかといったパンフレットまで全戸配布していた。ところが、今は、イランとの戦争はない、または不要だとの空気になっている。
まずは、国連総会でのネタニヤフ首相の発言から、少なくとも来年春、または夏までは攻撃はないということがあきらかになった。さらに先週、イラン通貨リアルの大暴落を受けて、大規模な反アフマディネジャド・デモがテヘランで発生。世界の経済制裁が、予想以上にイランに影響を与えていることがあきらかになったためである。
これと平行して、ネタニヤフ首相とバラク国防相の関係が悪くなっていることも方向転換の原因と考えられている。
国民は胸をなでおろしているものの、ネタニヤフ首相の”ジグザグ政治”(ころころと方針を変える)にはやや食傷気味である。