パレスチナ:国連安保理にイスラエル撤退決議要請 2014.12.19

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Jordan-presents-draft-of-resolution-on-Palestinian-state-to-UN-385006

EU議会がパレスチナ国家承認の決議を出した17日、あくまでもイスラエルとの交渉なしで国家設立をめざすパレスチナ自治政府は、一方的に国境線を決めて、国連安保理に承認の採択を要請する手続きに踏み切った。

それによると、イスラエルは2年以内に、1967年の軍事境界線まで撤退することとなっている。つまり、2017年までに東エルサレムを含めて西岸地区全体から、イスラエルは完全に撤退せよということである。

この案は、ヨルダンが支持し、アラブ同盟も、賛同するものである。アメリカが拒否権を発動するとみられるが、アメリカはすでに拒否権を使いすぎており、これ以上の行使は遠慮したいところ。

そこで、パレスチナが安保理に要請を提出するのに先立ち、先週、ケリー米国務長官が中東巡回を行い、ローマでネタニヤフ首相と会見した他、アラブ同盟代表、パレスチナ自治政府のエレカット代表などと交渉を行った。

しかし結果的に、アメリカの意向に反して、パレスチナ自治政府は、国連安保理への訴えを実行したということである。

実際には、結局アメリカが拒否権を行使すると予想されるため、決議は今回も保留、棚上げになる可能性が高い。いずれにしても、国際世論が、さらに反米的、反イスラエル的に傾くことは避けられない。

また、16日、パレスチナ自治政府特使のリヤド・マンスーラ氏は、ジュネーブの国連国際法廷122加盟国の前で、非加盟オブザーバー国として認定されて以来初めてとなる短いスピーチを行った。「将来、加盟国になればイスラエルを戦犯として国際法廷に訴える。」と発言した。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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