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ハマスが人質3人のビデオアップ
ガザへ地上戦が続く中30日、ハマスは、人質3人のビデオクリップをアップした。写っていたのは、ダニエル・アロニさん、リモン・ブフシュタブ・キルシュトさん、リーナ・トルパノブさんの3人。3人は元気そうではあるが、映像がいつ撮影されたものかは不明。
3人は、ネタニヤフ首相に、ハマスの奇襲を防げなかったことを非難しつつ、早期の釈放を求めていた。前回と同様、イスラエル市民の動揺と政府への不審を駆り立てるプロパガンダである。
アロニさんは、キブツ・ニール・オズで、娘のエミリアちゃん(5)と、姉夫婦とその3歳の双子の女の子とともに捕虜になっている。
トルパノブさんは、その息子のサーシャさんと母とともにニール・オズから誘拐された。夫のヴィタリさんはその時に殺されていた。キルシュトさんは、キブツ・ニリムで、パートナーのヨアブさんとともに誘拐されていた。
連絡を受けた家族親族は、30日夜に記者会見を開き、とりあえず生きている様子を見て、安堵したと語っている。またカタールや、赤十字に1日も早い解放をと訴えた。今も捕虜になっている人は、239人である。
ハマスとの交渉は否定:ネタニヤフ首相が捕虜家族に説明
ハマスのアヒヤ・シンワルは、28日、捕虜全員とイスラエルに収監されているパレスチナ人全員の交換に応じる用意があると発表していた。ネタニヤフ首相はこれに応じないことを明確にした。
捕虜家族たちからは、今すぐに捕虜を取り返すことが最優先であるとして、ハマスの要求に応じるべきだとの声明が出ている。イスラエル国内では、家族に同意するデモも各地で行われた。
קיסריה. תיכף מתחילים. pic.twitter.com/siQ9QOSpmA
— יואב איתיאל מדווח כי (@yoavetiel) October 28, 2023
このため、ネタニヤフ首相は、26日、テルアビブのイスラエル軍本部に家族を呼び、人質の奪還が、ガザ侵攻の主な目的であると強調し、その鍵となるのは、ハマスにどれだけ圧力をかけられるかだとの考えを明らかにした。
言い換えれば、ハマスを追い詰めて、手を上げるしかなくなるまでにするということである。
しかし、首相との対話の後、家族たちは記者会見を開き、パレスチナ人を釈放してただちに愛する家族を戻してほしいとの声をあげた。
会見したメイラブ・レショム・ゴネンさんは、23歳の娘ロミさんを捕虜に取られたままである。
イスラエル人たちにとって、人生最大の宝物は家族である。家族関係の深さはどの国民よりも深いと筆者は思う。だから、家族の心の痛みは想像を絶する。ハマスのやりかたはまさに拷問である。
そうして、その怒りがハマスではなく、ネタニヤフ首相とその政府にむくことは、ハマスの思う壺なのだが、時間がたつにつれて、家族たちの痛みは耐え難いものになりつつある。この点からも、ハマスが、悪魔的な存在であることを世界は知るべきであろう。