アメリカのオバマ大統領は、先週、シリア国内で、シリア政府軍が、サリンを使ったもようとの報告を受けて、「赤線(容認の限界線)を越えた。”ゲーム・チェンジャー”(状況の変化”になる可能性がある。」と述べた。しかし、軍事介入するには、まだ証拠が必要とも語った。
イギリスのキャメロン首相も、「シリアで深刻な戦争犯罪が行われている。」との認識を述べたが、イラクでの教訓を生かして、情報収集には細心の注意が必要だと述べた。
これを受けて27日、シリア政府のスポークスマンは、「シリア政府は化学兵器を使っていない。アメリカとイギリスはでっちあげで攻撃の理由にしようとしている。」と返答した。
2003年のイラク戦争では、大量破壊兵器があるとして、アメリカが軍事介入に踏み切った。しかし、後にその情報が誤りだったとの発表がなされている。
戦争で破壊されたイラクではまだ国内が混乱したままだ。そのため、たとえ赤線を越えてもシリアにどう対処するかは、欧米も慎重にならざるを得ないようである。
イスラエルでは、同じように核問題について赤線を引かれているイランが、シリアの赤線超えに、アメリカがどう対処するのか、今、注意深く見守っているのではないかと分析する専門家もいる。