イスラエルとの軍事衝突とコロナ感染拡大:ガザ地区 2020.8.28

イスラエル軍によるガザへの攻撃 スクリーンキャプチャ i24

ガザのハマスは、火炎風船を大量にイスラエル南部に飛ばし、毎日、20−30箇所に野火が発生。イスラエル軍も毎日空爆で反撃している。同時に、イスラエルが、国境を物流に至るまで閉鎖し、ガザへの燃料の搬入が止まっていた。このため、ガザ市民への電気の供給は1日3−4時間となり、下水処理ができなくなって、下水がイスラエルへ流れ込むという事態になっていた。

しかし、水面下では、イスラエルとの停戦への交渉が行われるとともに、カタールの使者が現金3000ドルとガザへ届けるという心もも続けられていた。しかし、27日夜、ハマスは、「イスラエルとの停戦合意は決裂した。数時間後に攻撃を再開する。」と発表したのであった。

ハマスは、イスラエルが、「平穏にするなら平穏に戻す」と言っただけで、「平穏にするなら、占領をやめる」と言わなかったことから決裂したと言っているのである。

www.timesofisrael.com/hamas-truce-talks-have-failed-israel-will-receive-messages-within-hours/

イスラエル軍によると、その言葉通り、28日(金)朝4時半、イスラエル軍がガザへの反撃空爆を行った直後、ガザから6発のロケット弾がイスラエル南部に向かって発射され、住民はサイレンで、シェルターに駆け込んだ。被害はなかった。この直後、イスラエル軍は、ガザの武器庫などの軍事施設を再び空爆した。

Times of Israelによると、ハマスは現在、カタール、エジプト、国連特使から、イスラエルへの軍事行動をやめるよう、圧力がかけられているもようである。

ガザでは、今、失業率が驚異の60%以上で、貧困率も高い。さらに、今、新型コロナの感染拡大が始っている。ハマスは、当然ながら、イスラエルと戦争をしている場合ではない。国際社会は、これを抑えようとしているし、市民の間でもハマスへの不満が高まっているのではないかとイスラエルは予測する。

www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-southern-israel-shortly-after-idf-strikes-hamas-in-gaza/

<ガザの新型コロナ感染拡大:新規感染60人・死亡3人>

ガザ地区では、新型コロナ感染者が、隔離地区以外から一家4人の感染が発覚し、市内感染が疑われた。このため、ハマスは、イスラエルへの攻撃は続けながらも、25日から48時間のロックダウンを実施した。

しかし、その後、感染者は60人と急増、死者も3人と急増したため、27日、ロックダウンをさらに72時間延長すると発表した。

ガザでは、せまいところに人口200万人も在住している。しかし、これまでは、エジプトとイスラエルの国境封鎖で、新型コロナの感染の影響は最小限に抑えられていた。

今は、イスラエルとの軍事衝突から、電気が1日3−4時間となり、下水だけでなく、水道の供給にも影響が出ているという。つまり手洗いが不十分ということである。

これから感染が急増すれば、ガザ内部の乏しい医療施設ではまもなく医療崩壊になる。結局エジプト、またイスラエルのお世話にならなければならないだろう。

www.timesofisrael.com/hamas-extends-gazas-coronavirus-lockdown-amid-growing-fears-of-outbreak/

イスラエルを攻撃しながら、自らロックダウンを余儀なくされ、やがて攻撃していたイスラエルの医療支援を必要とするようになる・・・なんとも、愚かとしか言いようがない。それでも隣人であることに違いはなく、放っておくと、イスラエルにまで悪影響が来てしまうので、放っておけないというのが、これまでからも今ものガザ情勢である。ガザ市民を覚えてとりなしを。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。