今日9月11日は、15年前にニューヨークで同時多発テロが発生した日にあたり、ニューヨークなどで記念式典が行われた。その前日の10日、イスラム教徒が、サウジアラビアのメッカへの巡礼(ハジ)が始まった。
ハッジでは、イスラム教徒が大群衆となって、メッカのカーバ神殿の回りを回るなど、独特の習慣があるが、巡礼者の数は、今年も150万人から200万人と予想されている。人類最大のイベントの一つである。
昨年は、将棋倒しで769人が死亡(サウジアラビア発表)。実際には、少なくとも2297人が死亡したとみられている。
昨年の事故で死亡した人のうち、460人が、サウジラビアとは敵対するイランからの巡礼者であったため、両国の間の緊張が高まる原因にもなった。イランは、今年、自国民がハッジでサウジアラビアへ行くことを禁止している。
昨年、犠牲者の身元の識別に苦慮したサウジアラビアは、今年、アイデンティティを記載した電子ブレスレットを巡礼者に装着させている。治安維持については、上空からヘリコプターが、監視する他、兵士10万人が警備にあたっているという。
www.aljazeera.com/news/2016/09/hajj-2016-millions-muslims-start-arriving-mecca-160909061605825.html
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4852818,00.html
*ハッジと、エイド・アル・アドハ
ハッジ開始から3日目、今年は12日(月)は、エイド・アル・アドハと呼ばれる犠牲祭にあたる。
エイド・アル・アドハは、イスラム教の犠牲祭ではあるが、記念しているのは、アブラハムがその息子イサク・・ではなくイシュマエルを神に捧げようとしたところ、神によって、代わりに犠牲になる雄羊を与えられたという、聖書(創世記)の話である。
エルサレムでは、特に神殿の丘(アル・クッズ)が、アブラハムが息子を犠牲にしようとした現場であると、ユダヤ教徒、キリスト教とともに、イスラム教徒も信じているため、エイド・アル・アドハには、エルサレム旧市街イスラム地区から神殿の丘で、毎年、盛大な祝祭が行われる。