目次
南アフリカで発見された新たなコロナ変異株のオミクロン株は、急速に世界中に感染拡大中である。日本でもナミビアから入国した1人にオミクロン株感染の疑いがあるということがわかり、岸田首相が海外からの入国を当面の間、すべて停止すると発表したところである。
世界がパニックになっているのを受けて、南アフリカとWHOは、まだ軽症しか確認されておらず、危険だと言う科学的な証拠はない。渡航禁止にされる関係諸国の経済的な打撃は大きすぎるとして、各国に、入国停止措置をただちに解除するよう、要請を出した。
しかし、どの国も、最悪の事態に備えると言っているので、ワクチンの有効性がはっきりするなどの発表が出ていない現段階で、開国する可能性は低いとみられる。
イスラエル:全外国人入国2週間停止
イスラエルでも26日に1人の感染が確認されたあと、2人目が確認された。南アフリカへ家族旅行して帰国した32歳女性である。同行した夫と子供は陰性だった。
イスラエルでは、当初は南アフリカ諸国からの停止としていたが、28日深夜からは、すべての外国人の入国を停止(特別例除く)すると発表した。
イスラエル人の入国は今も認めているため、空港では、検査の強化、隔離義務、スマホによる監視も再開されている。これにともない、空港からの移動は、プライベートの車、または、個人で乗るタクシーのみとし、バスは使えないとしている。
細かいが、今、出国を余儀なくされているイスラエル人には、空港に自分の車を駐車しておくことを奨励し、その料金を半額にするとのこと。エイラットからベングリオン空港への移動は、列車で行うよう手配している。
Times of Israelによると、このように状況は厳しいが、新たな規制が発表された28日夜、ベングリオン空港から海外へ出たイスラエル人は2万3000人にのぼっていたとのこと。政府の政策が、急に変わっても、予定は急には変えられないとイスラエル人たちは言っている。以下、28日夜の空港の様子(チャンネル12)けっこう混んでいる。
国内では、治安部隊が、一定の個人情報に踏み込むことにもゴーサインを出し、綿密なクラスター対策を行なっている。集会は、50人以上の場合は、グリーンパスの提示を義務付ける。
この変更は、オミクロン株の危険性が明らかになり、ファイザーなどが、オミクロン株とワクチンとの関わりもある程度割り出すまでの期間として発表しているものである。2週間後に、それほど危険ではないと言う結果になれば、規制はすみやかに元に戻すとみられる。
普段は、なにごとにもおおざっぱなイスラエルだが、いざ危機管理となると、迅速で、かつ、非常に細かいところまで考えているのに驚かされる。しかし、ちょうどハヌカが始まったところで、海外にいるイスラエル人で帰国する人は多い。空港は混乱しているようである。
www.timesofisrael.com/full-text-government-bars-foreign-tourists-tightens-quarantine/
外国人ツアーはキャンセルの波
イスラエルでは11月1日から外国人の入国が始まり、ツアーグループも少しづつであったが、入るようになっていた。しかし、オミクロン株の登場で、キャンセルが相次いでいるとのこと。
インバル・ホテルでは、28日に100人の予約があったが、すべてキャンセルとなった。言うまでもなく、これは大打撃で、もし2週間後に、それほど危険ではなかったと言うことになった場合、このキャンセルから発生する損失はまったくの無駄であったということになる。それでも政府としては、万が一に備えることが大事であるとの回答をしている。
しかし、もうすぐクリスマスで入国を計画していたグループも多数あるはずで、この時期の旅行業関連への混乱と被害は計り知れないものがある。
www.timesofisrael.com/slamming-the-door-on-omicron-israel-closes-its-borders-to-tourists/