“Let my people go” アメリカで30万人が親イスラエルマーチ:イスラエルでは人質家族がテルアビブからマーチ 2023.11.15

People attend the March for Israel rally Tuesday, Nov. 14, 2023, on the National Mall in Washington. (AP Photo/Jacquelyn Martin)

ワシントンDCで親イスラエルラリー:30万人参加

親パレスチナのデモに遅れをとったが、14日、アメリカの首都ワシントンで、人質解放を訴える親イスラエルのラリーが行われ、アメリカ全土から約30万人が参加した。親イスラエルラリーでは、最大を記録した。

主催者の主要ユダヤ人団体代表のウイリアム・ダロフ氏は、「何を訴えるかが問題ではなく、大きさが焦点だ。このラリーを通じて、反イスラエルや、ハマスを支持するような声はアメリカ人を代表する声ではないということを、ホワイトハウスや議会、世界にも示すことだ。」と語った。

先にワシントンで行われた反イスラエルデモは30万人だったが、今回の親イスラエルデモも30万人だったので、ダロフ氏が言っていることは、ある程度達成できたかもしれない。

1)主催は主要ユダヤ人団体:アメリカ議会からジョンソン下院議長も

参加していたのは、アメリカの主要ユダヤ人団体や、さまざまなユダヤ人連盟、シナゴーグやユダヤ人学校が中心で、これに賛同する人々が加わっていた。アメリカ政府からは、マイク・ジョンソン下院議長、ハキーム・ジェフリーズ下院少数党院内総務、チャック・シューマー上院多党院内総務など。「イスラエルの背後にはアメリカがいる。私たちはイスラエルと共に立つ。」と叫んだ。

主なテーマは、親イスラエル、人質解放、反ユダヤ主義である。10月7日の虐殺がホロコーストを連想させたことから、通常ホロコーストを再現させないという時に使う、“Never Again”を使い、”Never Again は今だ“と叫んでいた。

また聖書でエジプトから、奴隷であったヘブル人(後のユダヤ人)の解放をモーセがエジプトの王ファラオに言った言葉、”Let my people go”という言葉も出ていた。

2)イスラエルからヘルツォグ大統領

Kobi Gideon (GPO)

ラリーでは、ヘルツォグ大統領が、オンラインで嘆きの壁から登場。

感謝を述べるとともに、イスラエルの民は回復すると述べ、ゼカリヤ書8章から、キブツ・べエリやスデロットは「町の広場で遊ぶ男の子や女の子でいっぱになる」と述べ、イスラエルは、回復すると語った。

 

2)人質家族レイチェルさんの訴え:世界はどう言い訳するのか

ハマスに息子のハーシュさんが重傷を負わされた上に人質にとられている母親のレイチェル・ゴールドバーグ・ポーリンさん(アメリカ系イスラエル人)は、「これまでの39日間は、ゆっくり続く拷問の日々だった。」と語った。

私たちの魂は、深い火傷を負ったようなものだが、それよりも大きい傷は、人質たち自身だ。また、世界が30カ国近い市民(9ヶ月から87歳)が240人も人質になって、ハマスの地下トンネルに、生きたまま埋葬されているのに、何もせずに、どういうわけか、受け入れている。」と訴えた。

レイチェルさんは、ホロコーストの時代に、ユダヤ人を助けたドイツ人クリスチャンが、なぜそんな行動に出たのかと聞かれたときのことで締め括った。そのヒーローは、聖書から、「少なくとも死んで神の前に出たときに、神が弟アベルを殺したカインに言われたように、『アベルの血が地面から叫んでいるのにあなたはどこにいたのか。』というようなことを言われる心配はない。」と述べた。

「世界は今、その時にどんな言い訳をするのか考えるべきではないのか(要するになにもしていないことを神にどう説明するのかということ)」とレイチェルさんは締め括った。

ハマスの人質240人のうち20人以上(まだ確定ではない)はアメリカ国籍とみられている。このうち、3歳児は、目の前で両親を殺された後に、人質として拉致された。まだ行き先不明のアメリカ国籍の人もおり、調査が続けられている。

edition.cnn.com/2023/11/13/politics/biden-hostage-negotiations-with-qatar-including-3-year-old-american/index.html

ラリーでは、最後に、イスラエル人の人気アーティストの、イシャイ・リーボーさんのコンサートが行われた。

3)クリスチャンは参加していたか

なお、このラリーにクリスチャンの大学として知られるリージェント大学の学生たちが参加していたことはわかったが、クリスチャン勢が参加していたとの報道はほとんどみつからない。

しかし、親イスラエルで有名なハギー牧師はラリーで熱くイスラエル支持を表明。「イスラエルかハマスか。真ん中というのはありえない」と語っていた。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/pastor-hagee-there-is-no-middle-ground-in-this-conflict-youre-either-for-the-jews-or-not/

イスラエルでテルアビブからエルサレムへ人質解放求めるマーチ

ワシントンで、親イスラエル、人質解放を訴える大規模なラリーが行われている時、イスラエルでは、人質家族たちが、14日から政府に迅速な人質解放を訴えて、テルアビブからエルサレムにむけてのマーチ(65キロ)を開始した。

5日かけて歩いて、18日土曜日にエルサレムに到着し、安息日明けにデモ集会を行う予定である。皮肉なことに、マーチが始まってまもなく、ガザを含むイスラエルは、本格的な冬の雨に見舞われた。参加者は、「雨などには負けない」と語っている。

参加者の一人、キブツ・べエリのユバル・ハランさんは、家族7人を人質に取られている。ヤエルちゃん(3)、ナベちゃん(8)、ノアムさん(12)、そして彼らの祖母。ユバルさんの母親である。

ユバルさんは、人質になっている人にはもう時間があまりないとして、ネタニヤフ首相と閣僚たちに行動するように訴えている。

www.jpost.com/breaking-news/article-773211

なお、テルアビブでは3日前にも大規模な人質返還を求めるデモが行われていた。

石のひとりごと:ニューヨークのTSCティム・ディレナ牧師のコメントより

ラリーに参加するために自費で、全国からワシントンへ、30万人が集まった。大規模な親パレスチナデモが続く中での、この大規模な親イスラエルデモは、イスラエル人やユダヤ人だけでなく、イスラエルを支援する人々にも大きな励ましになったのではないだろうか。

それにしても、30万人・・日本でいうなら、たとえば、墨田区住民全員が参加したということである。先の反イスラエルデモに参加した人も30万人なので、この件だけで、アメリカ人60万人が動いたということである。

アメリカには、直接的には自分のことでないにも関わらず、これだけの人が社会で起こっていることに危機感を持ち、自分の意見を、はっきりと表明する人がいるということである。オンラインで匿名で、個人を自殺にまで追い込む中傷事件が問題になる日本とは大違いだ。

とはいえ、そのアメリカに大きな危機を感じているのが、時々紹介しているニューヨーク、Times Square Churchのティム・ディレナ牧師である。

世界はインターネットの発達もあり、誰もが自由自在に情報を、即行で得られるようになった。すると、自分がみたい情報だけをみるようになり、妙な確信となって極端な考えや行動に走るようになる。それぞれがそれぞれに良いと思う生き方をするようになっているのが今の世界である。

こうなると、何が正しいのかがあいまいになってくる。国連でも、ハマスがあれだけ残虐なことをイスラエル人に対してしたことについては、あまりとりあげられず、不思議にガザの被害ばかりに注目して、イスラエルを非難する流れになっている。

ハマスという世界にも害になりうるテロ組織と戦っているイスラエルに、停戦、つまり、戦いをやめろと言っている。これはまったくもって論理的ではない。またハマスに人質になっている人々を見捨てていることに他ならない。

さらにいうなら、パレスチナ市民にこれだけの困難をもたらしたのは、イスラエルではなく、ハマスである。少し考えればすぐわかることである。それがわからない方が不思議なのである。

スクリーンショット

ディレナ牧師は、これはイザヤ書5:20にあるように、「悪を善、善を悪とし、やみを光、光をやみとする」状態ではないかとその危機感を語った。TSCでは、ニューヨークの国連本部に行って祈りを捧げたという。

ディレナ牧師は、社会的政治的にイスラエルを支援するという動きに出ている人ではない。しかし、聖書は主がイスラエルを愛していると書いてあるということは明確に受け取っており、イスラエルに反対し、反ユダヤ主義がエスカレートしている世界の動きについて、「世界は今、主に愛されているものを憎む時代」になっていると危機感を語っていた。以下はそのことを含む12日のメッセージ

確かに、今世界で起こっていることを見ている中で聖書、特に預言書や黙示録を読むと、以前より、リアルに見えてくるようになっている。終わりの時代に、世界に大規模災害が発生し、世界は混乱、イスラエルが孤立するなどである。ということは、ディレナ牧師が言うように、主が来られる日が近いということでもある。

レイチェルさんが言うように、その日、私たちは、神の前に出てどう説明するのか。しかし、罪のない人はいない。だから、キリストが身代わりに罰を負ってくれたという聖書に書いてある話もまた、リアルになってきている。そうして、聖書に記された天地創造の神に立ち返ることで、世界がいくら混乱しても、何が本当なのかを見失うことはない。

これを受け取るか受け取らないか、それが最大の危機への、そして必ず来る死の時への準備ではないかと筆者は言いたいのである。

石堂ゆみ

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。