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ガザ北部から南部への戦闘:まだ何ヶ月もかかる見通し
ガザとの地上戦が始まってから85日。イスラエル軍は、複数の地点に分かれて、地上戦を戦っている地上機甲部隊との協調する空軍が空爆を行い、海軍も海からの攻撃を行っている。
これまでと同様、学校や幼稚園、病院などの民間施設の下にあるトンネルの摘発と破壊、武器や機密情報の摘発が続いている。
לוחמי חטיבת ביסל״ח השמידו תשתית טרור בתוך בניין, ממנו שוגרו זמן קצר לפני כן טילי RPG לעבר כלי רכב של הלוחמים. כמו כן, לוחמי חטיבת הנח״ל הכווינו מטוס קרב של חיל האוויר לתקיפת מבנה בו נמצאו מחבלים במטרה לשגר נ״ט >> pic.twitter.com/q2twlnuG41
— צבא ההגנה לישראל (@idfonline) December 28, 2023
ガザ市では、ランティシ子供病院の地下にハマスの中心的な諜報司令部とみられる地下トンネルシステムが発見され、大規模に破壊した。これにより、ハマスが司令センターとして使用していたトンネル数キロを破壊できたとみられる。
It says the tunnel at Rantisi was used by Hamas as a command center to manage the fighting against Israel.
One of the shafts, found in a high school adjacent to Rantisi, has an elevator heading down some 20 meters, according to the IDF. Another shaft, found in the home of a… pic.twitter.com/4BJKkgmbs0
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) December 27, 2023
南部では、中南部各地と、ハマス指導部が潜んでいるとみられるハン・ユニスへの攻撃も徐々に深部にも進軍している。以下はガザ中部戦闘の様子
The IDF details the operations of the 188th Armored Brigade in central Gaza’s al-Bureij camp, including an incident in which troops battled Hamas gunmen hiding in a school being used as a shelter for Palestinian civilians.
On Thursday, the 188th Brigade received intelligence of… pic.twitter.com/n7vw4GfDjG
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) December 30, 2023
ハン・ユニスはガザ第二の大きな都市であり、まだ多くの民間人もいる。以下は、30日時点の様子
ハマスによると、30日までの24時間で165人が死亡(ハマスも民間人も含め)死亡したとアルジャジーラは伝えている。ガザからの情報によると、最新データで、ガザでの死者は、2万1672人。負傷者は5万6165人。
アメリカメディアのWSJによると、これまでの戦闘でガザの建物の70%は破壊されたみられるが、これほどの破壊をもってしても、129人もの人質と、シンワルなどハマス幹部の行方はまだつかめていない。
これからの見通しについて、イスラエル軍ハレヴィ参謀総長とネタニヤフ首相も、北部での制圧がだいぶ進んでいる中、南部への攻撃は、これまでに異常に難しく、まだ何ヶ月も続くと語っている。
イスラエル軍戦死者と負傷者:PTSDを患う人は2万と推定
イスラエル軍の戦死者は、先週末に14人を記録した頃と比べると、ここ数日は少しましになっているようではあるが、それでも戦死者は出続けており、現時点で総数170人となった。
www.timesofisrael.com/israeli-forces-push-deeper-into-central-and-southern-gaza-amid-airstrikes/
負傷してイスラエルに戻って治療を受けている兵士は6000人を超えた。その数は増え続けている。四肢を失った兵士も多い。
また、900人は、10月7日直後にイスラエル国内南部で戦っていて負傷した兵士である。
この時だけで160人以上が戦死している家に、恐ろしい被害の様子や犠牲者の遺体を見る中、ハマスたちと直接の戦闘で負傷したことから、その心への影響も非常に深い。
イスラエル国内では、PTSDとみられる人が2万人はいるとされ、自殺者が増えたとの報告もある。国内医療施設ではセラピストの増員を図っているという。また兵士たちを苦しめているのが、治療費用や今後の生活だという。
ネタニヤフ首相は、負傷した兵士たちを訪問したりしている。
ネタニヤフ首相は辞任しないと強調
そのネタニヤフ首相だが、ハマスとの戦争前から、司法制度改革問題で支持率は低下していた。戦争が始まり、過去10年以上、首相であったネタニヤフ首相のミスが積み重なって、今回の事態になったとの見方が否定できず、支持率はさらに急落している。
そのミスとは、ハマスの現状を把握しておらず、ガザの経済情勢を強化するとして、カタールの現金供与を許可してきたこと。ハマスとの戦闘は少なくとも5回あったが、その度に停戦としてきたこと。この年月の間に、ハマスはこれだけの設備を作りあげていたということである。
最後に、10月7日の前には、危機兆候はあったという。ハマスを甘くみていたために、対処を誤った。さらには、ハマスが侵入してから、軍を派遣するまでに、6-7時間もかかったなどである。
ネタニヤフ首相を辞任させるべきと答えた市民は70%を超えた。30日安息日明けには、捕虜交換・救出を最優先すべきというデモとともに、全国で数千人が、ネタニヤフ首相は退陣すべきだとのデモを行った。
しかし、事実の検証は厳しく行うとしながらも、ネタニヤフ首相は、今は戦うことに集中するとして、戦闘が終わるまで辞任しないと強調した。