日本との対立が急速に悪化している韓国。その韓国が、8月21日、アジア諸国としては初めて、イスラエルとの自由貿易協定(FTA)を締結した。発効は2020年との見通し。
対象となるのは、自動車(ヒュンダイが人気)、医療機器から化粧品やビデオゲームと多岐にわたる。イスラエルと韓国の貿易は、昨年度25億ドルだったが、ネタニヤフ首相は、今回の合意で倍になると予測し、これを歓迎すると言っている。
イスラエルと韓国の自由貿易交渉は、数年前から続いていた。しかし、西岸地区入植地や、ゴラン高原といったいわゆる”占領地”からの製品に関してなど、政治的な問題な課題から、今に至るまで、合意できていなかった。
今回の合意で、この点がどうなったのかは、明確ではないが、イスラエル側は、妥協はしていないと言っている。しかし同時に、韓国が、西岸地区やゴランの製品をボイコットできるとの流れにもなっているもようである。
エリ・コーヘン経産相は、「イスラエルと韓国の新しい関係の始まりになる。」と述べた。
www.jpost.com/Israel-News/Israel-South-Korea-conclude-talks-on-Free-Trade-Agreement-599270
この他、イスラエルがFTAを締結しているのは、アメリカ、カナダ、トルコ、メキシコ、コロンビア、パナマとなっている。
www.jetro.go.jp/world/middle_east/il/trade_01.html
イスラエルと日本の貿易は、昨年度イスラエルから日本への輸出が、8億7000ドル、日本からイスラエルへは、15億ドルとなっており、韓国よりかなり少ない。
www.timesofisrael.com/israel-sets-target-of-1-billion-in-exports-to-japan-in-coming-year/
日本は、イスラエルとの貿易については、韓国や中国など他のアジア諸国が同国の技術力に殺到してきたのに対し、一歩遅れて出発している。今、イスラエルの技術を求めて投資する会社が、急速に増え始めているところである。
<ネタニヤフ首相の韓国・日本訪問ドタキャン騒動>
上記の出来事とは直接関係はないのだが、興味ふかい記事があったので紹介する。
この7月、ネタニヤフ首相は、韓国と日本を訪問すると打診してきた。明らかに総選挙での外交功績における点数稼ぎであった。
これについて、韓国では、そのわずか1週間前にイスラエルのリブリン大統領の公式訪問に対処したばかりであったこともあり、ネタニヤフ首相の訪問については、断った。
ハアレツ紙(左派で反ネタニヤフ的)は意地悪く、韓国が、ネタニヤフ首相の訪問が、単なる総選挙対策であると察知して、この時に、(今回サインした)自由貿易協定にサインするつもりはないとして、これを断ったと伝えた。
ところが日本は、ネタニヤフ首相の訪問が、点数稼ぎでることを知りつつも、これを歓迎する意向を表明。7月29日に訪問を決定し、安倍首相は、予定を調整。市内のホテルも、ハイシーズンにもかかわらず、約85室を開けた。(ホテル代は、日本政府持ちらしいが、日本はノーコメント)
ところが、この時期、イスラエル外務省が、ちょうどストに入り、東京のイスラエル大使館が動かなくなった。そのため、日本政府が、代わりに最終の準備を完了した。ところが、わずか10日前になり、ネタニヤフ首相の訪問は、突然、キャンセルされた。
キャンセルの理由は、どうも国会関係の事情のようであるが不明。ハアレツ紙は、ネタニヤフ首相が、日本政府に恥をかかせたと報じた。ハアレツによると、ネタニヤフ首相は、以前の選挙の時にも、ロシアのプーチン大統領に対して、同様のドタキャンをしたとのこと。
なんとも・・韓国と日本の文化、そしてイスラエルの文化の違いを表しているできごとではないだろうか。。。
それにしても、韓国が、長年締結できなかったイスラエルとの自由貿易協定を締結したのは、8月21日で、日本が、韓国を貿易管理条の優遇措置を受けるホワイト国から除外すると発表し、実施に至る直前であった。
何か関係があるだろうか。。なお、イスラエルでは、日本と韓国の外交的問題についての報道はほとんどない。