ガザから約2キロ地点のスデロットでは、ロケット弾がイシバを直撃し、ガザとの戦争も懸念されているが、そこからわずか70キロほど北上した同じ地中海に面する町テルアビブでは、今年もゲイ・ウィークが行われており、14日(金)、そのハイライトであるゲイ・パレードが盛大に行なわれている。
様々な女装、または男装のゲイたちと、その支持者ら25万人が、「ゲイ・プライド・パレード」をマーチする。中東で最大のゲイ・イベントである。その様子は、ネットでも生中継されている。
半裸状態でビールを片手にセクシーなことをテーマにして、ステージに向かって飛び跳ねる様子は、どうにもシナイ山の麓で、モーセを待てずに堕落したイスラエル人を連想させられてしまうところである。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5524740,00.html
<エルサレムでもゲイ・パレード>
テルアビブに先立つ6月6日、エルサレムでもゲイ・パレードが行われた。
左派でリベラルを好むテルアビブと違い、エルサレムは、ゲイを認めないユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地である。参加者は、3万人が予想されていたところ、1−1.5万人だった。
エルサレムでは、ゲイに反発する人々がおり、2016年には、シーラ・バンキさん(16)が、パレード中、出所したばかりの超正統派に刺されて死亡した。このため、イスラエル警察は、警備員を2500人配置して警戒態勢をとった。この日だけで、ナイフを持っていたなどで49人が逮捕されたが、全員翌朝には釈放されたとのこと。
パレードには、シーラさんの両親が、イスラエルは、多様性に寛容な社会であるべきと訴えて、参加していた。
www.timesofisrael.com/ten-thousand-march-in-jerusalem-pride-parade-under-heavy-security/
<法務相に初のゲイ/アミール・オハナ氏>
先週、ネタニヤフ首相は、今回の総選挙で国会入りできなかった新右派党のベネット教育相、シャキード法務相を解雇した。その後任がどうなるのか、注目されていたが、ネタニヤフ首相は、公にゲイと表明しているアミール・オハナ氏(43)を法務相に指名した。
同性愛者が堂々と閣僚入りするのは、イスラエル史上初である。しかし、オハナ氏はゲイとはいえ、日本でよく見る女装するタイプのゲイではない。イスラエルのゲイは、男性としての美しさをアピールするゲイが多く、オハナ氏も一見、普通の男性であり、ゲイにはみえない。れっきとした弁護士で、2015年から国会入りしていた。
オハナ氏は、先週開催されたエルサレムでのゲイパーレード(約1万人参加)に参加した。
左派でリベラルを好むテルアビブと違い、エルサレムは、ゲイを認めないユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地である。エルサレムでのゲイ・パレードでは、「恥を知れ!」と言ったやじも飛んだ。オハナ氏は、自分が法務相になったことで、ゲイ社会への反発にならなければよいがと語っている。
オハナ氏は、汚職疑惑のネタニヤフ首相について、公にネタニヤ首相支持を表明している人物。言い換えれば、ネタニヤフ首相が味方を増やしたということである。
www.timesofisrael.com/netanyahu-appoints-loyalist-amir-ohana-as-justice-minister/