エルサレムのダビデの町、ギバティ駐車場発掘現場から、また聖書に登場する人物の名前が記されたブラエが発見された。
ブラエとは、巻物をとめるためにくくった紐の結び目に止める小さな直径1センチぐらいの粘土石のことである。粘土が柔らかいうちに、人物の名前が彫り込まれた印を押して、その巻物の持ち主、または権威者の名を記すものである。日本でいうならはんこのような意味合いがある。
粘土なので、バビロンによって町が焼かれた際には、さらに強固になるため、長い年月を超えて保存されている。貴重な考古学資料である。
ダビデの町からは、これまでにも、ヒゼキヤ王はじめ、エレミヤ記に登場する書記官、シェレムヤの子エフカル、パシュフルの子ゲダルヤ、シェレムヤの子ユカルなどのブラエが発見され、聖書の記載が事実であることを証明している。
今回、テルアビブ大学の発掘によって、みつかったのは、第一神殿時代の紀元前8世紀、今から2600年前と推定されるブラエで、一つは、「マタニヤフの子イカル」と彫られた青い石。
バビロンによってエルサレムが破壊されたとみられる大きな部屋の発掘現場から発見された。その場所の様相から、一般の人々の家ではなく、王族、または政府高官の場所であることがわかっている。
もう一つは、「ナタン・メレク、王のしもべ」と記された黒っぽいブラエである。ナタン・メレクは、第二列王記23:11に、ヨシヤ王の宦官の一人として登場している。
聖書は紀元前586年に、エルサレムがバビロンによって破壊されたことを記しているが、それが歴史的な事実であるということである。