月曜朝5:20(日本時間午後14時20分)、ガザから発射されたミサイルが、テルアビブ北、シャロン平原のクファル・サバ近郊のモシャブ:ミシュメレットの民家を直撃した。(写真出展:ynet)
これにより、民家が大破。避難を促すサイレンは鳴ったが、間に合わず、中にいた少なくとも7人が、ロケット弾から飛び出した破片や火炎などで、負傷した。負傷したのは、59歳女性、30歳男性が中等度。
12歳少女、3歳少年、18ヶ月の赤ちゃんが軽傷。この他、ショックで搬送された人もいる。また、犬4匹が死亡しているのが見つかっている。
www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-central-israel-amid-reports-of-explosions/
今回、アイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)が稼働していなかった。その原因として、飛来したロケット弾が、125キロの弾頭を装着したJ80という射程100キロのミサイルで、飛来する経路が読みにくいものであったと捜査官が伝えたとエルサレムポストは伝えている。
なお、その後の被災現地の様子としては、今の所、周辺地域でも学校は予定どおりで、教育省の指示により、特に避難するなどの措置には出ていない。
<訪米中のネタニヤフ首相緊急帰国へ>
ネタニヤフ首相は、まもなくトランプ大統領と会談する予定になっている。それが終われば、訪米を中断して緊急に帰国すると述べた。AIPAC(親イスラエルユダヤロビー団体)での演説はスキップすることになる。
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<イスラエルの反撃に備えるハマス>
ハマスは、今回も、ミサイルの発射を「不本意な事故、間違い」と言っているとの情報がある。
またパレスチナメディアによると、これで今、イスラエルが、ガザへの強力な反撃を行った場合、総選挙直前のネタニヤフ首相の株がまた上がることになるため、ハマスは、ミサイル発射の時期を「最悪」と呼んでいるという。
いずれにしても、イスラエルの強力な反撃が予想されるため、ハマスは、本部から避難するなどの措置を始めているという。
<混迷続くガザ情勢>
ガザ地区では、15日にもテルアビブ周辺にロケット弾2発が発射された。この時ハマスは、ガザ内部の反ハマスの市民デモの対処に追われており、その緊張を紛らすために、テルアビブへロケット弾を撃ち込んだとみられる。
このため、イスラエルは、ガザのハマス関連地域100カ所への空爆を行ったが、「間違いだった。」というハマスの表明を暗黙に受けいれる道を選び、それ以上の措置は控えた。エジプトの仲介による、イスラエルとハマスとの交渉を続けるためである。
しかし、それ以降、ハマスは、イスラエル国境での暴動を激化させており、昨日日曜朝にも、国境を破ろうとしたパレスチナ人が、イスラエル軍によって射殺された。ハマスは、3月30日の”土地の日”に、イスラエルとの国境で、これまでになく大きなデモ(暴動)を計画していることを明らかにしている。
こうしたイスラエルへの暴動を実行しなければ、市民の怒りはハマスへ向くことになると思われるが、ガザの内部情勢のために、イスラエルが利用されるなど、あってはならないことである。
また2回目のロケット弾で、市民に負傷者も出たとあっては、イスラエルとしてもだまっているわけにはいかないだろう。今、ガザとの大きな紛争に拡大する可能性が高まっている。
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しかしながら、実際のところ、ガザ、ハマスの実情はどうなのかは、なかなか読みにくい状況にある。ネタニヤフ首相らイスラエルの指導者たちに正確な情報が、タイムリーに届き、的確な判断と決断ができるよう、とりなしが必要である。