イスラエル軍は、3月13日、イスラエル北部ゴラン高原ヘルモン山のシリア側に、ヒズボラが軍事基地ネットワークを構築していると発表した。証拠となるビデオ映像もアップしている。
ヘルモン山は、標高2814メートルで、イスラエルを上から見下ろす位置にある。ヒズボラの”ゴラン・テロ・ネットワーク”は、ここからイスラエル軍や市民の動きをさぐっているみられる。言うまでもなく、イスラエルにとっては非常に危険である。
イスラエル軍によると、このネットワークのリーダーは、アリ・ムーサ・ダクドゥクという人物。1983年、いわばヒズボラ創設以来のベテラン指揮官で、ナスララ党首に次ぐ大物である。数々のテロ事件に関わってきたことで知られる。
シリア内戦が7年を経て終焉となり、いよいよイスラエル攻撃に向けてダクドゥクが、この地域に派遣されたとイスラエル軍は警戒している。
www.idf.il/en/minisites/hezbollah/hezbollah-establishes-a-terror-cell-in-syria/
なお、このヘルモン山のネットワークには、複数のグループが関わっており、一つ一つは、複雑に独立しているという。このため、ヒズボラとしては、シリアのアサド政権に報告義務がないということになる。
しかし、イスラエル軍は、このネットワークを公表するにあたり、シリア政府の責任であるとし、「イスラエルはこのヒズボラの動きを決して容認しない。」と釘をさした。
また、この事実を公表したイスラエル軍報道官のヨナタン・コンリカス少佐は、「シリア政府は、我々と同様、1974年の合意を遵守するべきである。地域の平穏を守るために、ヒズボラの動きに懸念を持つべきである。」と訴えた。
<石のひとりごと>
ヒズボラは、15万発とも言われるミサイルをイスラエルに向けて準備している。さらには、イスラエル領内に続く地下トンネルも複数摘発された。今度は、ヘルモン山のテロ・ネットワークである。ここまでイスラエルを憎むとは、なんともご苦労なことである。