10月31日、イスラエル全国で市長選挙が行われた。エルサレムでは、バルカット前市長が、2期10年間の任期を終え、国政へ移行することになったため、新しい市長を選ぶ選挙となった。
結果、ネタニヤフ首相が後押ししたゼエブ・エルキン氏の票が伸び悩み、トップは、モシェ・リヨン氏(57)が8万票(33%)、次にオフィル・バルコビッチ氏(35)が、7万票(29%)となった。
単独で投票率40%を獲得した候補者がいなかったため、エルサレムでは、11月13日、上位二者、リヨン氏とバルコビッチ氏で決選投票が行われる。
リヨン氏は、前回2013年の決選投票で、バルカット氏に敗北した経験を持つ。リヨン氏が敗北したのは、バルカット氏(世俗派)が、超正統派の宗派のひとつ、グルの指導者を説き伏せ、本来なら正統派のリヨン氏に投票するよう指示するべきところ、信者たちに好きなように投票させたことが原因だったとみられている。
www.timesofisrael.com/in-lion-berkovitch-runoff-rogue-hasidic-voters-could-hold-key-to-the-capital/
リヨン氏と決選投票にのぞむバルコビッチ氏は、バルカット市長と同じ世俗派ビジネス畑の人物で、バルカット前市長の元で、4年間(2013−2017)、副市長として働いてきた。自分は、厳しい財政にあえぐエルサレム市の現状を、より把握していると主張している。
エルサレムでは、超正統派の票がどちらへ動くかで勝敗が決まると言われる。現時点では、自身も正統派のリヨン氏の方が、超正統派の支持を得ているとみられるが、どうころぶかはまだ全く不明。ネタニヤフ首相がどちらに味方するかも注目されるとことろである。
テルアビブでは、ロン・フルダイ市長が5期目の当選を果たした。
<新に女性市長2人>
今回は史上最も女性市長が増えた選挙となった。特に話題となったのは、空気汚染が問題となっているハイファで、初の女性市長にエイナット・カリシュ・ロッテム氏が当選。超正統派と世俗派が対立しているベイト・シェメシュ市でも女性市長にアリーザ・ブロシュ氏が当選した。
ブロシュ氏は、正統派だが、教育者で同市の高校校長でもある。超正統派と世俗派の間をと持つことが期待されている。
www.timesofisrael.com/women-cheered-for-victories-in-election-though-over-95-of-new-mayors-are-men/
また、全国で汚職事件で警察のお世話になった市長が3人再選していた。イスラエルでは、汚職事件で刑務所に入っていた人物が、出所すると同時に財務大臣になったりしている。日本ではありえないことだが、イスラエルではおそらく、皆忘れてしまうのかもしれない。。