ガザ焼夷凧への対処:カレン・ショムロン検問所閉鎖 2018.7.11

ガザ周辺に焼夷凧や風船が飛来して、イスラエルの畑で火災が発生する事件は今も連日続いている。この100日あまりで、焼失した範囲は、2万8000デュナムで、ネタニヤ市やレホボト市の大きさに匹敵するという。

イスラエルは、今ドイツなどを介して、ハマスと人質の交換交渉を行っていることから、焼夷凧攻撃への武力による反撃は行っていない。

しかし、イスラエルは、昨日から、焼夷凧への報復として、ガザへの最大の物資搬入の検問所カレン・ショムロンを閉鎖を開始した。これにより、ガザからの輸出入が停止する。これは、ガザのビジネスが麻痺することを意味し、ハマスに大きな打撃になるはずである。

ただし、建築物資以外の食料や医療物資、特別な必要のあるものについては制限しないとしている。

建築物資の搬入を停止するのは、ハマスがいまだに地下トンネルにそれらを使っているからである。イスラエルは、ガザとの国境に地上だけでなく、地下数十メートルにおよぶ地下バリアの建設を余儀なくされている。

ハマスは、イスラエルが非人道的なことをしていると国際社会に対して訴えている。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5307164,00.html

<ガザからフロティーラ>

この2ヶ月の間に、ガザからパレスチナ人が船で、イスラエル軍の海上封鎖突破を試みて、イスラエル軍に止められるという事件が2回発生している。これに報復するためか、イスラエルは、漁業可能範囲を17キロから11キロに制約する方針も打ち出した。

ハマスがいなくならない限り、ガザの人々の生活に改善はない。悪化する一方である。イスラエルとしては、ガザ内部の人々によってガザ内部からハマスが妥当されることを望んでいるのだが、そのような動きは今のところなさそうである。

それにしても、ガザ地区との紛争はまったくながら終わりがない。逆にそこまでイスラエルを憎み続ける方が難しいのではないかと不思議に思わされるほどである。。。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。