アメリカが2015年の核合意から離脱し、厳しい経済制裁を再開すると発表してから、イランの経済はすでに厳しい状況になりつつある。
これに乗じて、ネタニヤフ首相が、防衛、外交だけでなく、イラン市民に直接訴えるなどのイラン包囲網を、積極的に展開している。目的は、イランをシリアから撤退させるだけでなく、現在のイスラム政権を内部から打倒することのようである。
1)シリア領内のイラン基地攻撃
イスラエルがシリア領内にあるイランの軍事基地を破壊する作戦に出ていることはお伝えしている通り。
2)ロシアの協力でシリアのイラン軍撤退へ働きかけか
この機に乗じ、ネタニヤフ首相は、ロシアのプーチン大統領と緊密に連絡をとり、イスラエルのイラン軍関係基地への攻撃を黙認してもらうことに成功している。
また、シリア領内で、イランが勢力を伸ばしていることを快く思っていないロシアにとりいり、イランを含むシリア領内にいる外国勢力を、すべて撤退させる案が浮上している。
なお、これについて、シリアのアサド大統領は、そのような合意がイスラエルとロシアの間にあるという事実はないと否定している。
3)ヨーロッパ諸国に核合意からの離脱を訴え
さらにネタニヤフ首相は先週、ドイツ、フランス、イギリスを訪問。訪問先で、アメリカに続いて、イランとの核合意から離脱することを要請した。
ネタニヤフ首相は、BBCでのインタビューに応じ、アメリカが離脱した今、イランとの合意は終了したとの見方を明らかにしている。
しかし、3国は基本的に、イランとの核合意は維持する方向である。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/247234
4)「イラン人に命を」:イラン市民へ水リサイクル技術を提供
10日、ネタニヤフ首相は、イラン市民に対し、イスラエルの水のリサイクル技術が多くのイラン人の命を救うとビデオメッセージで訴え、その技術に関するウェブサイトをペルシャ語で立ちあげたと呼びかけた。
ネタニヤフ首相がイランの気象関連組織の情報として語るところによると、イラン人口の96%が、干ばつによるなんらかの被害を受けている。
またイランの農業相によると、イランの5000万人が、環境による被害で移動を余儀なくされているという。ネタニヤフ首相は、これを現イラン政権の失策だと訴えている。
イラン政権は「イスラエルの死を」と叫ぶが、イスラエルは、「イランの人々に命を」と叫ぶと2分あまりのビデオメッセージをユーチューブで流した。