サウジアラビアが敵視するイランは、イスラエルの最大の敵である。かつて敵対していたサウジアラビアとイスラエルは、今や同じ敵を持つものとして、接近する傾向にある。現実にはまだ国交もないが、両国の動きは以下の通り。
1)イランのハメネイ師は中東のヒトラー:サウジアラビア皇太子発言
サウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子は、ニューヨークタイムスのインタビューに応じ、その中で、イランのイスラム最高指導者ハメネイ師について、「中東のヒトラーだ。」と語った。
ハメネイ師は、イランの最高指導者で、ロウハニ大統領やザリフ外相の上で指令を出す人物。実質的にイランをうごかhしているのはハメネイ師である。サルマン皇太子は、イランが中東で拡大政策をとっていると懸念する。
サルマン皇太子は、「ヨーロッパから融和政策は無駄だと学んだ。中東に現れた新たなヒトラーには、ヨーロッパで起こったようなことはさせない。」と語った。
20世紀、ヒトラーは、近隣ヨーロッパ諸国からポーランド、ソ連に至るまで次々に侵略し、膨大な犠牲者を出した。サルマン皇太子は、イランが今それと同様のことを、中東で行おうとしている。止めなければならない。」と指摘した。
www.timesofisrael.com/saudi-heir-to-the-throne-khamenei-is-the-middle-easts-new-hitler/
2)イスラエルと同様の立場:サウジアラビアの外相がイエメンについて発言
サウジアラビアは、イエメンからイラン製とみられるミサイルを空港付近で迎撃して以来、イエメン国内のフーシ派にイランのミサイルが持ち込まれないよう、海上封鎖を行っている。
これにより、人道支援物資がイエメンに届かなくなり、イエメンの人々が飢えに苦しんでいるとして、サウジアラビアに国際非難が高まっている。
BBCのインタビューを受けたサウジアラビアの外相は、「ロンドンのヒースロー空港に弾道ミサイルが打ち込まれたら、どうするのか。」と反論した。こび反論は、ガザの海上封鎖をしているイスラエルに向けられるのと似た非難である。ただし、イスラエルは、ガザへの人道支援物資は搬入させている。
3)機密情報交換の用意ある:イスラエル軍参謀総長インタビュー
先週、イスラエル軍のエイセンコット参謀総長は、サウジアラビア紙のインタビューに応じ、「イランとその枢軸を考える時、穏健派アラブ諸国とイスラエルの国益は一致する。
協力して、イランがイラクからシリア、レバノンへ影響力を拡大することを防がなければならない。」と語った。その上で、穏健派アラブ諸国との機密情報の交換に応じる用意があると述べ、注目された。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5043869,00.html
サウジアラビアは、”パレスチナ問題が解決するまで”イスラエルとの接触はないと、イスラエルとの協力関係は否定している。
しかし、サウジアラビアの駐フランス大使が、パリのグランド・シナゴーグのラビの招待に応じてシナゴーグを訪問するなど、これまでならありえなかったような事も報じられている。