先週金曜、ダマスカス門付近で、3人のパレスチナ人が銃撃とナイフによる同時テロを起こし、女性国境警備隊員ハダス・マルカさん(23)が死亡。5人が負傷したテロ事件のその後について。
<48時間以内の治安部隊の動き>
このテロについては、ハマスとISISが、それぞれ犯行声明を出していた。しかし、調べによると、テロリスト3人のうち、1人は、ハマスと関わっていた可能性があるが、基本的にどこの組織ともかかわっていない単独犯であることがわかった。
イスラエル軍は、ただちにテロリスト3人の出身地、ラマラ近郊の村を48時間包囲した。同じ村の家族親族・友人らが、3人の”殉教”に感化され、続いてテロに出てくることがないようにするためである。
この包囲の間に、イスラエル軍はテロリスト3人の実家に踏み込み捜査に入り、テロに使われた武器を没収するとともに、家族らのイスラエルへの入国許可証を剥奪。テロを助成したとみられる1人を逮捕した。この後、近いうちにテロリスト3人の実家は破壊されることになる。
また、イスラエル軍は、村全体の家々にも踏み込んで、武器などがないかを捜査し、違法にとりこんでいた車両22台を押収した。
イスラエル軍は、こうした包囲作戦をする前に、「包囲はさらなるテロを防ぐため」と説明し、安全のために指示に従ってほしいと記したビラを配布していた。無用な衝突を避けるためである。
しかし、パレスチナ人200人ほどが、イスラエル軍に火炎瓶を投げるなどして衝突となり、パレスチナ人の若者3人が銃撃による負傷を受けた他、多数が催涙弾やゴム弾などで負傷した。
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これと並行し、エルサレムでは、治安部隊を増強して警戒態勢が強化され、今回のテロリスト3人と同様、許可なしに西岸地区からエルサレムに入り込んでいたパレスチナ人350人を逮捕した。
旧市街内部では、パトロールが強化され、周辺では、一部道路が閉鎖されるなど、かなり警戒態勢が強化された。旧市街に限らず、西エルサレムでも、シオン広場には、警察官6人ほどが、真ん中に固まって立ち、警戒にあたっていた。
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<ラマダン最終週:警戒態勢続行>
ラマダンは今週金曜(23日)に終了し、以後断食明けの祭りが3日間続く。特にこの金曜は、ラマダン最後の礼拝日。加えてこの日は、アル・クッズ・デーとも言われ、特にイスラエルへの憎しみを煮えたぎらせる日と定められている。これから先、テロが発生する可能性は高まる。
金曜のテロ事件以降、西岸地区各地で強制捜査に入るなどして、テロを未然に防ぐよう努めているほか、エルサレム旧市街では、警戒態勢を強化して、警備にあたっている。
こうした中火曜、西岸地区アダム周辺で、治安部隊に向かってパレスチナ人がナイフを取り出したため、治安部隊に射殺される事件が発生した。
西岸地区、東エルサレムでは緊張が続いているが、こうした治安部隊の活躍により、西エルサレム市内はいつもと変わらない平和な様子である。
<ハダス・マルカさん葬儀・埋葬と指導者らの訪問>
犠牲となったマルカさんは、安息日開けの土曜夜、自宅のあるアシュドドで、葬儀、埋葬された。
マルカさんは、海軍に配置されていたが、自ら志願し、3ヶ月の予定で国境警備隊で任務にあたっていた。ダマスカス門周辺で、女性の国境警備隊員がテロリストに殺害されるのはこれで2人目である。マルカさんの遺族は両親と、3人の姉妹、2人の兄弟。
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埋葬される前の金曜夕方、ネタニヤフ首相とサラ夫人がともに、マルカさんに敬意を表するため、遺族を訪問した。続いて、月曜には、アメリカの特使グリーンバット氏、火曜にはリブリン大統領も遺族を訪ねている。
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