ロシアは、昨年末、トランプ大統領が、シリア情勢において、反政府勢力への支援から手を引く可能性を示唆して以来、シリア情勢において最も大きな影響力を持つ国になった。
そのロシアにトルコとイランが加わ加わって、昨年末、シリア内戦を停戦に導くための会議を、モスクワで行った。この試みはアメリカが、シリアの停戦を目標にアメリカ(ケリー国務長官)主導で行っていたジュネーブでの国際会議に対抗するような形で行われた。
これに続いてロシア、トルコ、イランの3国は、今月24日から2日間、カザフスタンで、シリア問題に関する2回目の会議を開催した。
ロシアとトルコは、欧米諸国と違って空軍だけでなく、地上軍もシリアに派遣し、みずからも犠牲を払う形でシリア問題にかかわっている。そのため、ロシアとイランは、シーア派勢に、トルコはスンニ派勢に影響力がある。
カザフスタンでの会議の後、ロシア、イラン、トルコの3国は、アサド政権(シーア派)、反政府勢力(スンニ派)双方が、停戦に向けた計画に合意したとする共同声明を発表した。
これが成功すれば、ますます中東でのロシア、イランの影響力は高まることになる。
ただし、反政府勢力は様々な勢力からなっており、そのすべての合意を得たわけではなく、停戦に合意したとはいえ、シリアでは今も戦闘が散発している。まだまだ予断は許さないというのが、現状である。
この状況下で、トランプ政権がどうかかわってくるのか、注目される。
<エゼキエル38章の登場国:石のひとりごと>
中東で影響力を伸ばすロシア、トルコ、イランは、エゼキエル38章で、イスラエルを攻撃する国々として登場していると思われる国である。
さらに、トランプ大統領が親イスラエルであると目される中で、イスラム教徒をターゲットにした入国制限を出して嫌われるようになってきた。将来、これらの国々がアメリカだけでなく、身近な中東にいるイスラエルを憎み。攻撃にまで至るという流れは理解できる。
加えて今回、トランプ大統領が入国制限する国に加えなかったエジプト、ヨルダン、サウジアラビアは、エゼキエル書38章には、少なくとも直接登場しておらず、イスラエルを攻撃する国としてはあげられていないということになる。
今後、イスラエルと中東は、ゴグ・マゴグに戦いに近づいていくのだろうか。トランプ大統領が中東でどのような動きをするのか注目されるところである。