ユニークな国イスラエル 2017.1.20

イスラエルは、非常に多様な国で、古きものと新しきものが同居する国である。興味ふかい話題を3つ。

1)50年後までに3人に1人は超正統派になる!?

超正統派ユダヤ教徒は、近代においても中世さながらのユダヤ教律法に忠実であろうとするグループである。一組の夫婦が4-5人の子供達を出産するため、その人口増加率は、一般のユダヤ人家庭よりも多い。

国家統計局によると、50年後の2065年には、イスラエルの総人口は2500万人となり、その3人に1人は超正統派になると推測されている。

なお、2017年初頭での人口は、2%増加して863万人。昨年中に生まれた新生児は18万1000人。移住者は2万4000人。移住以外に理由でイスラエルに新たに住むようになった人は1万2000人。

ユダヤ機関(上記中央統計局データとは異なる)によると、移住者は、一昨年3万1000人であったのが、昨年は27000人と大幅に減少していた。

移住元で、最も多いのはロシアから、続いてウクライナなど旧ソ連地域、フランス、アメリカとなっている。いずれも、昨年は減少傾向に転じていた。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4900347,00.html

2)世界一の太陽発電塔

イスラエルはネゲブ砂漠の厳しい太陽熱を利用する広大な太陽発電所を建設している。250メートルに及ぶ世界一高い太陽発電塔があり、パネルは5万枚に及ぶ。2018年の予定。

このプロジェクトでできるエネルギーは、310メガワットで、全国の1.6%、13万世帯、全人口の5%の電力消費をカバーする。さらに電力をつくるだけでなく、太陽が沈んだあとも電力を蓄えることができる。太陽電池の研究も進められている。

この発電所が予定通り、2018年に完成すれば、国際的にも、CO2削減に貢献できる。イスラエルでの太陽熱は、非常に強力なので、今後さらに有効利用できると目されている。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4903722,00.html

3)イスラエル軍の戦闘用ロボット

イスラエル軍では、6ヶ月前から、歩兵部隊に戦闘用ロボット”ロニ”が配属されている。働きは主に、様々な地形を乗り越え、危険なトンネル内や、テロリストがいそうな家々に入って行って、探査することである。

ロニが行くことで、人間の兵士がこうした危険な任務を負わなくてもすむようになる。ガザとの戦闘では、トンネルや家々を探査する任務で多くの兵士が命を失い、ガザ市民を死亡・負傷させてしまうなどの課題も浮き彫りとなっていた。

イスラエル軍では、あらゆる失敗を無駄に終わらせることなく、必ず実質的な改善が行なわれている。このようにして、常に軍事技術を進歩させている。まさにイスラエルでは失敗こそが前進の母になっているようである。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4907117,00.html

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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