イスラム教では、宗教行事の間だからといって戦争がなくなることはない。むしろ、アラーのために戦う霊がはたらくようで、死者はより増える。
11日、ダマスカス郊外で、自爆テロが発生し、12人が死亡した。ISISが犯行声明を出している。シリア領内のISISは徐々に領土を失いつつあるのだが、ダマスカスという主都を狙ったテロを行う事で、まだまだ健在ぶりを発揮した形である。
www.bbc.com/news/world-middle-east-36506192
シリア内戦での死者は5年で25万人以上。国外難民は1100万人となっている。
国内にとどまっている難民は、餓死の危険性の中にいるが、9-10日、ダマスカス郊外へ、国連などから人道支援物資の搬入がはじまった。
しかし、ダマスカス郊外では、シリア政権軍の空爆が続き、搬入は著しく妨害されているという。
ダマスカスでのテロ事件を受けて、シリア軍とそれに協力するヒズボラは、空爆を正当化するかのような態度だという。
<売春を余儀なくされる難民の少年たち>
シリアなどの難民たちが、トルコからヨーロッパに流れて行けないようにして、トルコにとどまる策が施行されて以来(トルコ発案)、ギリシャへ渡る難民はいなくなった。*逆に北アフリカからイタリアへは増加
しかし、これより先にギリシャへ移動していて、そのまま留め置かれた難民たちは、前にも後にも進めず、悲惨なことになっている。
BBCが、彼らがたむろするアテネの公園など現場の地獄のさたを報告した。
それによると、難民の少年たちが、生き延びてなんとかヨーロッパへ進むため、一回、5-10ユーロで体を売っているという。行為はごみだらけの公園のやぶなど、屋外で行われている。麻薬売買もあり、地域はまさに無法地帯となっている。
いうまでもないが、男子が売春するということで、まさにソドムとゴモラ状態である。
難民として逃れて来たのは、大半が男性たちだが、10代やそれ以下の少年が一人で逃れてきているもめずらしくない。こうした男性たちは、先にヨーロッパにたどりつき、おちついたら家族を呼び寄せようとしていたのだが、今となっては先にもすすめず、元の国にも戻れない状況に陥っているのである。
BBCのインタビューに答えた若い少年は、体を売る以外に道がないことや、いまとなっては、ヨーロッパをめざさなければと後悔していると語っている。
www.bbc.com/news/world-europe-36500635
また、エルサレムポストによると、単独でヨーロッパへ入った中東系の難民の子供たち1万人が行方不明だという。犯罪組織の人身売買に連れ去られたと懸念されている。
これらの子供たちには国がない。パスポートがない。つまりだれがこの子たちを守るのかといえば、だれもいないということである。しいていえば、子供たちがたどりついたヨーロッパの国々ということになるのかもしれないが、どの国もこうした子供たちの為に犠牲を払う国はない。
この記事によると、赤十字がホットラインを開設し、対処に乗り出しているもようである。