ガザ戦闘再開・ロケット弾再び 2014.8.9

7日、72時間の休戦時間の期限が近づいて来た頃、イスラエルは、エジプトの提案により、休戦を受け入れると表明したが、パレスチナ代表団は、拒否すると発表した。理由は、イスラエルが、海上封鎖緩和と、国境封鎖解放に応じなかったからだと言っている。

ガザ地区では、大々的なハマスの決起集会が行われ、大群衆が改めてイスラエルとの決戦でもりあがった。さらに、アルジャジーラテレビを招いて、まだ地下トンネルが多数あると伝えた。

*このトンネルが、イスラエル領内に続くものか、単にガザ地区内の地下にあるトンネルで、人間の移動かロケット弾の発射に使うものかは不明。イスラエルは、警戒はするが、おそらく危険性はないだろうとみている。

エジプトは8日朝4時半までハマスの説得を試みたが、パレスチナ側は決定を変えなかった。

<戦闘再開>

8日朝8時早朝、イスラエル南部へ数発のロケット弾が飛来した。休戦期限切れの8日午前8時(日本時間午後2時)きっかり、ガザ地区からアシュドドやアシュケロンにミサイル10発が飛来した。

ミサイルはその後も続き、8時から10時までに18発が発射された。これを受けて、ネタニヤフ首相は、報復攻撃を指示。ガザで再び爆撃の煙が立ち上っている。BBCによると、モスク付近への攻撃で、10才少年が死亡したとパレスチナの情報筋は伝えている。

その後もロケット攻撃が続いており、シャアル・ハネゲブでは、金属片にあたって71才の男性1人と、兵士(20)が負傷した。いずれも軽傷から中等度の負傷。8日だけで50発以上。9日朝からまた攻撃が始まっている。

ガザ市内の住民たちは、休戦が破綻したのを見て、再び避難している。イスラエルは、この人々が避難できるよう、すぐに空爆せず、時間をおいてから、ロケット弾発射地を空爆している。

<なぜハマスは休戦延長を拒否したのか>

7日、カイロでは、エジプトの仲介で、パレスチナ代表団とイスラエル代表団が今後の交渉を行っていた。イスラエルとエジプトは、とりあえず、交戦状態であるのをやめて,2012
年の紛争直後の平穏状態に戻してから、今後の対策を交渉していくことを提案していた。

イスラエルは現在、国境封鎖(とはいえ、ガザとの物資の出入りやイスラエルで病気治療を受けると言った必要な人の行き来はあった)と海上封鎖を行っている。

これはハマスが、イスラエルを破壊するといった声明を出して、テロを奨励し続けているからであり、海上封鎖については、実際にイランなどを出発地にした武器を満載した船が拿捕されたりしているからである。

イスラエルは、平穏が続き、ハマスがおとなしくなるのを見極めながら、海上封鎖も国境封鎖も、徐々に緩和する方向だった。実際に徐々にではったが、通過する物資の範囲を拡大するなどの緩和を行っていたのである。

ところがハマスは、今すぐに海上封鎖と国境封鎖を完全に解放することが、停戦の条件だと言い続けて話にならないのである。

ハマスは、休戦を延長せず、ガザ市民に被害が及んでいるのは、海上封鎖緩和と国境封鎖の解放を受け入れなかったイスラエルの責任だと言っている。さらには、「イスラエルは我々の要求を受け入れなかったが、交渉は続けてやる。」といった態度である。

<イスラエルの反応>

イスラエルは、ハマスの現状を注意深く観察しつつ、今のところは最小限の反応に押さえている。というのは、1800人を超えるガザ市民の犠牲者が出た事で、国際社会のイスラエルへの怒りが限界に来ているからである。これ以上の犠牲が出た場合、ヨーロッパなどから、経済制裁を課される可能性が高い。

とりあえず、ガザ周辺に駐留しているイスラエル軍が新たなトンネル経由のテロリスト侵入を監視するとともに、新たな地上軍侵攻も念頭に、いったん帰した予備役兵を再び招集する可能性を検討している。

国民に対しては、いったん解除した戦時下警告(40キロ圏内では500人規模の集会禁止。80キロ圏内(エルサレム含む)では1000人規模の集会禁止)を再度、発令している。

<ガザでもエルサレムでもハッピー>

最近、YouTubeで、ハッピーと言う歌に合わせて踊る映像を各地から発信する動きがひろがっている。以下のサイトでは、ガザ地区からのハッピーと、エルサレムからのハッピーを両方みることができる。双方の人々の笑顔を覚え、とりなしに覚えていただければ幸いである。

www.huffingtonpost.jp/2014/08/03/happy-in-gaza-and-israel_n_5645147.html?utm_hp_ref=japan

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

1 comments

ゆみ姉、間もなく出発かと思われます、日々の尊い働きには感謝の言葉も見つかりません。
が、有難うございます、とお伝えします。
イスラエルを取り巻く世界も激しく動いてきました、疫病も猛威を振るい始めました。
心を騒がせず、主を見上げ、日本人として日本語で情報を発するゆみ姉を毎日執成しています。

BFPJの特別セミナーを通して主が大きく働いて下さいますように、
行く道も帰る道も守られますように、
停戦が持続し空港も守られますように、
全ての日程、全ての日々が祝福されますように、
ゆみ姉の霊肉魂、全てが守られ主が力注いで下さいますように、
お祈りしています。

 あなたは夜の恐怖も恐れず、昼に飛び来る矢も恐れない。
 また、暗やみに歩き回る疫病も、真昼に荒らす滅びをも。
 千人が、あなたのかたわらに、万人が、あなたの右手に倒れても、それはあなたには、近づかない。
 詩篇91:5-7

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