作戦18日目:ガザ北部避難所の学校爆撃について 2014.7.25

24日、ガザ北部ベイト・ハヌンで、避難所にもなっているUNRWAの学校が攻撃され、ガザ市民15人が死亡し、多数が負傷。泣き叫ぶ子供や女性たちの様子が報道され、非難がイスラエルに集中している。

この地域は、最近激しい戦闘地域になっており、この学校に関しては、数日前から避難勧告を出していたという。学校が直撃を受けた24日には、ガザ市内からハマスも砲撃していたことから、イスラエルの空爆ではなく、ハマスの砲撃であった可能性もあり、イスラエルは詳しく調査すると言っている。

また、UNWRAは、イスラエル軍が、学校からの住民の避難を妨げたと証言しているが、これについてはイスラエルは否定。数日前から避難勧告を出していたこと、市民に逃げないでとどまるよう指示したのはハマスだと反論している。

ガザ市民の死者は800人近くとなり、難民たちは、イスラエルへの憎しみを叫ぶようにして訴えている。

<ガザ地区内のイスラエル軍>

ガザで戦闘を続けるイスラエル軍によると、ガザ北部の戦闘で、ヤエル・アシュケナジ軍曹(36)が死亡した。負傷者は10人。イスラエル軍はこれまでに31本のトンネルを発見、破壊。ハマスとイスラム聖戦の中心的な指導者3人を射殺している。

イスラエル軍は第一段階の任務は達成しつつあると言う記事もあれば、トンネルを全部破壊するのにあと2週間はかかる見通しと言っている記事もある。

予備役として招集された男性たちは、現在までに68000人。夏休みにお父さんのいない家庭が増えているため、グッシュ・エチオン(他の地域でも)では、子供たちのために、様々なプログラムを行ったり、イスラエルの旗と、おやつのバスケットを配るなどして、対処にあたっている。

www.bbc.co.uk/programmes/p023kld8

<イスラエルへのミサイル>

24日にイスラエルへ発射されたミサイルは30発と比較的少なかったが、25日、再びテルアビブ方面へミサイルが飛来している。ハマスは、ベングリオン空港を狙ったと主張。またアシュケロンでは家の屋根を直撃したが、住民は無事。

24日には、エイラット方面へミサイルが飛来。迎撃ミサイルが撃墜して被害はなし。これについては、イスラエル交通省が、旅客機がベングリオン空港に着陸できない場合にと準備中の、南部ネゲブ地方のオブダ空港を狙った可能性がある。

<BBC直接インタビュー:カリッド・マシャアル政治部門指導者> http://www.bbc.co.uk/programmes/p023kld8

BBCが、カタールのハマスのカリッド・マシャアル政治部門指導者へのインタビューを行った。

インタビューアーは、ハマスが、イスラエルが封鎖を解けば停戦に応じると言っていることについて、「段階を追って、まず、戦闘をやめ、市民生活の改善を行い、徐々に封鎖を解くという提案についてどう思うか」と聞くと、「段階的なやり方はすでに行ってきたことだ。ガザの人々はいますぐ、封鎖をといてもらいたいと思っている。」と返答した。

ハマスは実は支援国もなく、経済的にも非情に弱い立場にあるのではないかとの指摘には、「ガザの人々は屈しない。」と妥協のない姿勢を示し続けた。

ケリー国務長官は、現在カイロで、3-5日の人道休戦の実現にむけて交渉をすすめている。しかし、アメリカ政府は、「ケリー氏がいつまでもこのために働くわけにはいかない。」とさじを投げかけているようである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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