作戦3日目、午前はテルアビブ、ベエルシェバ、アシュドド、アシュケロンなどの都市へ、15秒に30発というロケット弾の雨となった。1日の合計は190発。このうち、44発は迎撃ミサイルで撃墜。着弾は少なくとも140発。(イスラエル軍報告)
テルアビブでは防衛庁で、閣議を開いていたネタニヤフ首相も、シェルターに走っている。
ガザから2キロほどのエシュコル地方では家屋を直撃したが、中にいた人は、警報で地下の防護室にかけこみ、無傷で助かった。しかし、この地域では、兵士2人が、ロケット弾から出る金属片にあたって負傷している。
アシュドドでは、車両に直撃し、炎上している。これによる負傷者はなし。
<クネセト(国会)を狙う?>
10日午後6時ごろ、エルサレムにも4発発射され、2発は迎撃ミサイルが撃ち落とし、2発は空き地に落ちた。
エルサレムでサイレンが鳴ったとき、国会に近いヘブライ大学にいたが、中庭にいた学生たちも特に慌てた様子なく、一斉に建物の地下へ。遠くでどかんという音がした。
この時国会近くにいた学生が上空で、迎撃ミサイルが撃墜する様子を目撃している。ハマスは、エルサレムへの攻撃を認め、国会を狙ったと言っている。
なお、大学では、この時のサイレンや、関連する道路封鎖で、授業に出られなくなった学生からの電話が次々に鳴った。授業は1時間早めに打ち切られた。幸い、エルサレムでは、この後、サイレンはならず、静かな夜となった。
<ディモナの原子力発電所近くにも着弾>
死海からさらに南へ下ったところのディモナには原子力発電所(核兵器が保管されているともいわれている)がある。この付近に、先日に続いて今日も着弾。近くのキブツの牛舎にあたって、牛が死亡している。
<ハイファでもサイレン>
昨日、ハイファから37キロ南下したジカロン・ヤアコブにミサイルが着弾したとお知らせしたが、11日、早朝、ハイファとカルメル山地域でもサイレンが鳴った。ハイファでサイレンが鳴るのは2006年の第二次レバノン戦争以来。
文字通り、南から北までミサイルを飛ばして来ているということである。ハマスは、「イスラエル人全員がターゲットだ。」と言っている。また、ミサイルだけでなく、自爆テロも脅迫している。
<緊張感がない市民の危険性>
迎撃ミサイルがかなりの率で、ミサイルを撃ち落としているため、南部の住民はともかく、テルアビブやエルサレムなど中央部分の住民にいまいち緊張感がたりない。
サイレンが鳴っても、写真やビデオを撮っている者がいる。軍当局は、迎撃ミサイルは100%の防御率ではなく、非常に危険であると訴えている。実際にミサイルが付近に着弾すれば、中から金属片が飛び散り、確実に死亡することになるのである。
また迎撃ミサイルが、上空で撃ち落としたということは、大きな金属片が落ちてくる事を意味する。テルアビブでは、1メートルはある金属片が、ガソリンスタンドに落ちるところが撮影されている。
市民に犠牲者が出れば、紛争は一気にエスカレートする。これだけロケット弾とミサイルの雨を受けながら、今のところ、イスラエル側に死者はなし、負傷者もほとんどなしで来ているのはまさに奇跡なのである。