先月、イスラエルの中心的な総合病院、ハダッサの医師看護師がストで、病院が一時治療を中止したとお伝えしたが、今度は外務省が、3月初頭からストに入り、予告していた通り、23日から全面ストに突入した。
現在、イスラエル国内の外務省に加えて、世界103の大使館、領事館が閉鎖。外国人へのビザの発給だけでなく、自国のイスラエル人に対するサービスも停止している。
これにより、海外で様々なトラブルに巻き込まれたイスラエル人を保護できなくなっているという。
貿易にも影響が出て、イスラエルから食品の輸入が停止しているという情報もある。来月の過越を目前に、海外のユダヤ人コミュニティに大迷惑となっている。
ビザの発給に支障が出て、ボランティアビザや学生ビザを待つ人々が足止めになっているが、世界要人のイスラエル訪問にも影響が出始めている。その一人がローマ法王。
法王は、5月にイスラエルを訪問予定で、これから本格的な準備が必要になっている。しかし、ストの影響で、バチカンスタッフがイスラエルに入れなくなっている。このままでは法王はイスラエルに来る事ができない可能性も懸念されはじめている。
<ストの原因>
外務省スタッフが要求しているのは賃上げと待遇の改善。物価の変動にもかかわらず、外務省スタッフの給料は10年間、不変なのだという。
また、派遣国による物価の違いはあまり考慮されないため、物価の高い国々へ派遣された外交官たちは生活が苦しいのだと言っている。
リーバーマン外相は、外務省の全面ストは、イスラエルの国全体に悪影響だとして激怒し、裁判にもちこむ構えである。ペレス大統領も、イスラエルの国に悪影響だとストを避難する発言を行っている。
<解決の見通し>
外務省の全面ストは、23日に発表されたが、それ以後、大きな情報がない。おそらく交渉している物と思われるが、解決の見通しなどの情報は、今のところまだ流れてきていない。