ケリー氏国務長官がシャトル外交を行っている背後で、アブ・ゴーシュなどアラブ人村(イスラエル領内)で落書きやタイヤ切りなどの値札行為が頻発し、アラブ人の怒りが沸騰しつつあることはお伝えしたとおり。
1日、ヤアロン国防相は、値札行為は、明らかなテロ行為だとして、ハマスやイスラム聖戦、ファタハと同列にする方針を明らかにした。
<ティーンエイジャーが共存への話し合い>
28台の車がタイヤ切りの被害を受けたアブ・ゴーシュでは、28日夜、パイロン教育相も参加して、約800人のユダヤ・アラブ双方のティーンエイジャーたちが集まり、話し合いの時を持った。
アラブ人学生(16)は「こうした話し合いは、今後互いに敬意をもってよい関係を築いていくのによい助けになる。」と語った。
ユダヤ人学生(18)は、小学生のころ、バスの爆破が日常茶飯事であったことを述べ、「10代で、人種で人を憎むようになったら、おそらく同じ事の繰り返しになる。教育のシステムにこのことを取り入れるのは重要だ。」と述べた。
<だれが値札行為を行っているのか?>
一般に、値札行為は西岸地区のユダヤ人入植地に住む過激なユダヤ人だと考えられている。モスクには「アラブは出て行け」、教会には「イエスはサル」と落書きするなど、ユダヤ教以外のコミュニティがターゲットになるからである。
しかしこれまで、値札行為をした者はほとんど捕まっていないので、いったいどこのだれがやっているのかは実は謎である。
昨日、イタマルや、タプアハなど、特に過激だと思われている西岸地区の入植地へ行く機会があった。行ってみると、コミュニティには、世俗派も多数おり、過激なユダヤ教徒ばかりではなかった。
住民は実に平和に住んでおり、若い家族が、たくさんの子供たちとともに理想的ともいえるコミュニティ生活を送っていた。都市より安く、コミュニティも子供によいプログラムを実施して環境がよいため、今イスラエル中から、移住を希望者が増え続けているという。だから住宅が必要なのだと。
彼らの表情は、値札行為をするようなイメージではなかった。
では、だれがやっているのか入植者たちに聞くと、一部の過激な者たちだというが、どこから来ているのかとの問いには???。やっているのはアラブ人自身である可能性も否定あるかと聞くと、一部はアラブ人自身による行為である証拠もあると言ってた。
犯人グループが早く逮捕されることを期待したい。