ネタニヤフ首相のビジョン 2013.6.21

www.pmo.gov.il/English/MediaCenter/Speeches/Pages/speechtomo200613.aspx 

ネタニヤフ首相は、20日、「明日」をテーマのしたペレス大統領90才誕生日記念カンファレンスの最終セッションで、イスラエルの明日、3つのビジョンと具体的な目標を語った。

1.治安の確保・・モロッコからパキスタンまで中東は揺すぶられており、この先どうなるかは全く見えない。

1)ホロコーストのような状態にしない。(強いイスラエルを維持) 2)イランが核兵器を持たない。(核の濃縮を全面停止、すでに濃縮されたものは国外へ、核施設の廃止)

2.繁栄・・・イスラエルはここ数年で、成長率4-5%を記録し、ヨーロッパを上回る勢いである。

1)古い港の整備で輸出入における競争力を促進 2)中国、南米へ新しい市場の開拓。売り込むのはイスラエルのテクノロジー 3)天然ガスの活用 4)”地方”の概念をなくす。道路、鉄道の整備で45分以内に全国どこへでも。これにより住宅価格高騰の問題解決をはかる 5)コミュニケーション技術の充実で、あらゆる子供たちが教育を受ける

3.パレスチナ人との平和の実現 

「私は平和を実現したい。」ネタニヤフ首相は特に力を入れて語った。パレスチナ側とまったく無条件で話し合う用意がある、ケリー国務長官の仲介を100%支持すると語った。

なぜこれまでパレスチナ人と平和を実現できなかったのかについては、「パレスチナ人が、根本的にユダヤ国家の存在を認めないからだ」と語った。パレスチナの指導者たちがユダヤ国家の存在を認めることがビジョンである。

<実際はあきらめムード?の二国家解決案>

パレスチナ側との交渉開始のために、すでに5回もイスラエルに来て仲介活動に当たっていたケリー国務長官だが、まったく進展がない中、6回目は別用もあってキャンセルしている。

イスラエルの閣僚からは、2国家解決はありえないのではないかとの発言が相次いでいるところである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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