<西岸地区にもハマス>
先週、ハマスがガザ地区で盛大に創立25周年集会を行ったが、13日、西岸地区のナブルスでもハマスが記念集会を行った。これまで、パレスチナ自治政府は、ハマスが西岸地区内で集会をすることを禁じてきたのだが、和解の一環として許可したとみられる。西岸地区でのハマスの集会は5年ぶり。
テルアビブやエルサレムにもミサイルを撃ち込んだハマスの人気は西岸地区でも高まっているようである。
<イスラエル軍兵士への攻撃続く>
ガザの戦争での”勝利”、パレスチナの国連での格上げなどで、すでに勢いづいていたパレスチナ人の反イスラエル感情だが、先週、ネットに流れた、パレスチナ人の投石を受けてイスラエル兵たちが逃げるビデオに刺激され、さらに勢いづいた可能性がある。
先週から西岸地区内に駐留するイスラエル軍兵士にむかって激しく投石する動きが続いていたが、12日、国境を警備していたイスラエル軍兵士に向けて、銃をバッグから出そうとしたパレスチナ人がいた。それを見た女性兵士がその場で射殺した。
後になり、射殺したのは17才の少年、また銃はおもちゃの銃だったことがわかった。イスラエル軍は対応は正しかったと評価しているが、この女性兵士は現在、フェイスブックなどに写真入りで「死の脅迫」を受けている。
翌13日、この少年の葬儀で興奮したパレスチナ人らとイスラエル軍兵士がヘブロンで再び衝突。この時は、イスラエル軍は催涙弾を使用して沈静化させたが、夜になり、パレスチナ人らが再び火炎瓶を投げつけてきた。イスラエル軍の反撃でパレスチナ人が1人負傷した。
今後、勢いづいたパレスチナ人とイスラエル軍との衝突にどう対処するのか、また過激なユダヤ人入植者をどこまで押さえられるかが焦点となる。
<イスラエル軍の武器使用基準に変化なし>
投石する市民レベルの暴動に対してどう対処するのか、対応を協議していたイスラエル軍だが、これまでと同様、「命の危険がせまった場合にのみ殺傷能力のある武器を使用する。兵士はそれぞれよく判断すべし。」とのガイドラインを変えない方針となった。個々の兵士に難しい判断がゆだねられることになる。
1980年代後半に始まったインティファーダ(民衆蜂起)では、石投げのパレスチナ人をイスラエル軍が殺害することで、事態がエスカレートした。同じ失敗は避けたいというところ。