<内陸部へ射程を伸ばすガザからのミサイル>
15日朝、ミサイルがアパートに直撃し3人が死亡したキリアット・マラキは、イスラエル最大の近代都市テルアビブからわずか15キロ南。ミサイルは徐々に内陸に届き始めている。
15日18:45(日本時間16日01:45)、テルアビブ方面にもミサイル2発が発射され、町に警報が鳴り響いた。テルアビブで警報が鳴るのは1990年の湾岸戦争以来。ミサイルによる被害はなし。
イスラエルでは、これまでに275発のミサイルが撃ち込まれたが、アイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)が多くを撃ち落としている。ガザに最も近く迎撃ミサイルシステムが間に合わないエシュコル地区では砲撃で兵士3人が負傷した。
駐:テルアビブは日本でいえば東京のようなもの。ここが攻撃されることは非常に大きな意味を持つ。
<地上戦に向けて>
ガザ地区で、イスラエル軍が「防衛の柱(初期には雲の柱と報じられていたが同じもの)作戦」を続けている。テルアビブ地域にミサイルが発射されたから、さらに攻撃が激しくなり、今夜だけですでに70カ所を空爆。子どもを含む3人を含むパレスチナ人が死亡、多数が負傷しているもよう。
空軍は、これまでにガザ地区のロケット発射地やハマスの拠点など300カ所を空爆した。ガザ地区での死者は16人。なおイスラエル軍は空爆の前にガザ住民に「ハマスやテロ組織の拠点を離れるよう」とのビラをまいてから攻撃している。
徹底的な空爆が終わった後は地上戦になる可能性が高い。イスラエルはすでに戦車等を南部へ移動させつつある。招集される予備役兵(一般人からの臨時招集)は最大3万人と言われている。
<なぜ今ガザを攻撃するのか、目標は何か>
「堪忍袋の緒が切れた。」-というところか。イスラエル南部都市は13年にわたって、ロケット弾、ミサイル攻撃を受け続けてきた。イスラエルはそのたびにガザへ報復攻撃を行い、2008年には大規模攻撃作戦「防衛の盾」作戦も行った。
しかしそれでもガザからの攻撃はやまず、先月からガザからの攻撃はこれまでになく頻繁となり、住民はシェルターへ出たり入ったりの状態だった。PTSDで苦しむ住民は多数。
今回は、今後南部へ攻撃が不可能になるまでハマスやテロ組織の拠点を徹底的に破壊し、南部に平穏をもたらすことが目標であるとイスラエル政府は言っている。