イランから夜中にミサイルの波・ラマット・ガンで2人死亡:イランのラリジャニ暗殺表明後 2026.3.18

Ramat Gan NYT

イランのミサイルで2人死亡:ラマット・ガン

3月17日(火)、イスラエルは、イランの現時点では最高権威ともいえる国会安全保障会議議長のアリ・ラリジャニを暗殺したと表明。

その夜18日(水)深夜すぎから夜中中、イランから、イスラエル中部に向けて、弾道ミサイル(クラスター爆弾含む)の波がイランから発射された。北部はヒズビラのロケット弾多数の雨を浴びた。

イランからのミサイルのうち、1発が、テルアビブ東部のラマット・ガンのアパートの4階に着弾。住民の70代の夫妻が、自宅内のシェルターから数メートルのところで、重傷を負って倒れているのが発見された。蘇生術が施されたがまもなく、死亡が確認された。

近隣の住民によると、サイレンがなってから約1分後に爆発音がしたとのこと。死亡した夫妻の1人は障害があったことからもシェルターへの避難が間に合わなかったものとみられている。この地域では、この他、4人が負傷した。

テルアビブでは、その中心地にある鉄道駅、テルアビブ・サビドール・セントラルステーションでは、迎撃したミサイルの破片が落下。プラットホームが破損し、列車は一時走行停止となり、空港などへは、シャトルバスがカバーしているとのこと。ここでの負傷者は報告されていない。

この駅を含め、テルアビブでは、8か所に破片が落下していた。

www.ynetnews.com/article/byc11upwcwx

ホロンでは、クラスター爆弾により、電線が倒れ、複数の車両に着弾して、炎上した。この他、エルサレムでもサイレンが鳴って、一部破片が落下していた。

www.jpost.com/middle-east/iran-news/article-890321

ヒズボラからもロケット弾の雨:負傷者なし

同じ頃、ヒズボラが大量のロケット弾を、イスラエル北部と西岸地区北部に向けて発射し、カルミエルで、1軒の家屋に着弾していた。イスラエル軍が避難を指示した後だったため、家は破損したが、負傷者はなかった。

www.timesofisrael.com/hezbollah-fires-dozens-of-rockets-at-north-hitting-home-but-no-injuries-idf-pounds-lebanon/

イスラエル軍は、17日(火)から、緩衝地帯にするため、レバノン南部への侵攻を開始している。周辺住民に避難を呼びかけており、さらに奥へと進軍を続ける様相にある。ベイルートでもイスラエル軍の攻撃は続いている。以下はベイルートへの攻撃。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/new-israeli-strike-reported-on-central-beirut/

こうした中、イスラエルでは、今も毎日のように、中央から北部、エルサレム含め、数時間起きに広範囲で鳴り続けている。

救急隊(MDA)に試練:クラスター爆弾

現在、イランからイスラエルに発射されているミサイルは、およそ半数がクラスター爆弾である。クラスター爆弾は、上空で破裂し、小型爆弾(2.5キロ)を約10キロ範囲に撒き散らし、被害は高範囲に及ぶ。

First responders at the site of a blaze sparked by a Hezbollah rocket impact in Nahariya on March 16, 2026. (Magen David Adom)

救急隊MDA(マーゲン・ダビッド・アドン)の隊員は、リスクを負いながら、サイレンがなる中、避難することなく、救急車寮で被災地へ駆けつけている。

被災者を救出するためには、できるだけ早く駆けつけなければならないが、クラスター爆弾の場合、同時に広範囲、複数箇所に着弾があるため、全部をカバーすることがチャレンジになっている。

またクラスター爆弾は、不発で着弾して隠れている場合もあり、後になって、救急隊や市民がそれらに当たって爆発する可能性もある。クラスター爆弾は、このように悪質であることから、国際法では、使用が禁止されている。今イランは、それを毎日使っているということである。

1万人はシェルターにアクセスがない!?

テルアビブの貧困者たちは、公共シェルターに避難するしかないが、その数は十分ではなく、事実上シェルターがない人がいる。また、自宅内に補強したシェルター部屋がない人は、サイレンが鳴るたびに、アパートの地下にある公共シェルターに行かなければならない。

しかし、家族に車椅子依存といった障害者がいる場合、背負って階段を駆け降りることは困難である。たとえば、ガリさんは、障害のある息子オリさん(28)を介護しているが、サイレンが鳴ってから90秒以内に、シェルターまで移動することは不可能である。ガリさんは、狭いトイレに駆け込んでただただ祈るのだという。

Jerusalem Institute of Justice(エルサレム司法研究所)によると、イスラエル人で約1万人はこの状況にあると訴えている。

石のひとりごと

イスラエル軍は、イランのミサイル、ヒズボラのロケット発射地をもう80-90%破壊したとみている。それでもまだどうやって、いったいどこから発射しているのかと思う。

イスラエルを攻撃するすべての手を止めてくださるよう祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。