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究極のユダヤ思想?6ヶ月乳児の死亡も主のみこころだったと母親

先週、エルサレムの無許可の超正統派ユダヤ系保育園で、暖房の効きすぎか、園児50人以上が脱水などの症状で、病院に搬送され、幼児2人が死亡した。
無許可であったことと、日本語では業務上過失致死と言えるだろうか。職員のミリアム・フリードマンと、マリ・シュムエル・エリヤフは、9日間の自宅軟禁と45日間の勤務停止とされた。
また30日間は、被害者家族と連絡をとってはならないとされた。
しかし、これについて、死亡した幼児の一人、アリ・カッツ君(6ヶ月)の母親、チャニさんが、意義を申し立てた。チャニさんは、「息子が今死んだのは、神の計画の中で起こったことであり、それが息子の運命だった。ミリアムさんたち職員に罪はない」と申し立てたのである。
チャニさんは、この保育園に3人の子供を通わせたことから、保育士のミリアムさんを7年以上知っているという。アリ君の第二の母のようだったと語った。
また、今回は、ミリアムさんもマリさんも子供を失ったのであり、その記憶が消えることはないだろうと語った。
本来なら、コンタクトをとってはならないとされる30日間だが、今は彼女と一緒にいることを選ぶと語った。
すべては主の支配にあると考えるのがユダヤ教だが、6ヶ月の我が子の死もまた、全知全能の創造主が決めたことだと考えるという。
ホロコーストという究極の不条理を通ったユダヤ人たちならではの考え方かもしれない。
世俗派と宗教派の分断:ネタニヤフ政権ぎりぎりの対立

しかし、これがすべてのイスラエル人に通じるものではない。過失は認め、調査し、原因を調べて、次から同じことが起こらないようにしなければならないというのが、一般のイスラエルでの考え方である。
だから、当局は犠牲者の解剖をしようとした。
しかし、正統派ユダヤ教徒たちは、遺体を解剖するのは冒涜だとして、先週、これに反対する暴力的なデモを行い、警察と衝突したのであった。
しかし、このことから調査した結果、エルサレムでは、5万人5000人の3歳未満の乳幼児(全体の79%)が、無認可の保育園に通っていたことが明らかになった。これは、全国的な問題であることも指摘された。
ただこれは今に始まったことではなく、これまで、全国的にも無認可の保育園が、かなり野放し状態だっただけのことなのである。
政府は、対処を迫られているが、多産な超正統派たちにとっては、厳しい保育園認可は、逆に問題かもしれない。無認可の方が安くてすむはずだからである。
このように、イスラエルという国は、非常に多様なユダヤ人で成り立っている国である。その大きな違いが、まずは、世俗派と正統派などのユダヤ教徒との違いである。

今特に問題になっているのは、人手不足の軍のため、これまで従軍を免除されてきた正統派たちにも従軍させようとする政府と、絶対従軍しないと主張するユダヤ教正統派との対立が深刻になっている件である。
ユダヤ教政党は、政府があくまでもその方針を貫くなら、連立から離脱すると言っており、ネタニヤフ政権の存在が危ういとも言える状態なのである。
加えて、今は、2026年度の予算案に、正統派政党が賛成しない可能性が高く、ネタニヤフ首相は、1月26日に予定されていた採択1回目を28日に延期している。
予算案が通過するためには、3月31日までに、3回の採択を取り、3回賛成の結果を得なければならない。もし合意に至らず、ユダヤ教政党が連立から離脱したら、総選挙ということになる。
石のひとりごと
ラン・グヴィル軍曹の遺体がガザから戻ってきたことで、イスラエルでは、同胞への想いと、イスラエル国民としての一致を確認したことと思う。
しかし、国内には、絶え間ない対立もある中でのことなのである。モーセの時代もそうだった。だからこそ逆に、すごいと言えるかもしれない。
今、この国で首相を務める、ネタニヤフ首相のストレスは、まさに半端ないといえる。
