西岸地区で過激右派入植者たちがパレスチナ人村襲撃:入植者が“成果”を報じるSNSチャンネルも 2025.10.27

A masked Jewish extremist swings a slingshot while hurling stones at Palestinians who had gathered for the annual olive harvest season, during an attack by Israeli settlers on the Palestinian village of Beita, south of Nablus in the West Bank, on October 10, 2025. (Photo by Jaafar ASHTIYEH / AFP)

10月24日(金)から25日(土)、過激右派ユダヤ人入植者数十人が、エルサレム北部のヨルダン川西岸地区で、パレスチナ人たちの村を襲撃し、投石の応酬の後、入植者たちが、パレスチナ人の家屋や車両少なくとも3台、収穫時期のオリーブ畑にも放火する事件が発生した。

この地域の近くでは、この5日前に、過激右派たちが前哨地とよばれる、まだ承認されていない支配域を立ち上げたところだった。

この一連の衝突により、パレスチナ人3人、イスラエル人左派親パレスチナ活動家2人、過激入植者イスラエル人2人が負傷。暴動を起こした入植者の容疑者数人が逮捕された。

www.timesofisrael.com/three-cars-set-ablaze-in-overnight-settler-attack-on-west-banks-al-mughayyir/

こうしたパレスチナ人の村への攻撃は、これまでからも発生していたが、国際社会で、パレスチナ国家承認の動きにある中、激化の傾向にある。

以下は、入植者たちが、パレスチナ人女性2人に暴力を振るう様子がはっきり写っている様子。世界中に報じられた。

過激入植者が“成果”を報告するSNSサイト

過激右派は、What’s upに公開チャンネルを運営しており、ヨルダン川西岸地区で何をしてきたかを、堂々と発表している。

その一つのチャンネルによると、本当かどうかは別として、この1ヶ月で、パレスチナ人の住宅12棟と車両33台を焼失させ、パレスチナ人12人が負傷したとなっている。この他、タイヤパンクさせた車は何十台で、フロントガラス破壊は何100台、オリーブ畑も燃やしたなどと豪語している。

攻撃した村は、グシュ・エチオン南部のスリフに6回、ラマラ北部のアル・ムガイールに5回、シロ入植地に近いトゥルムス・アヤに5回などとなっている。ビデオや写真も投稿されている。

先週末のラマラに近い、デイル・ディブワン村への攻撃では、ダビデの星と共に、「アンシェイ・シュロメイヌからの挨拶」とスプレーしている様子もある。このグループのロゴとされる絵は、日本の忍者?にも見える。

www.timesofisrael.com/jewish-extremists-boast-of-attacks-against-palestinians-in-public-whatsapp-channel/

警察や軍は、こうした暴徒を一時的に逮捕するが、そのほとんどは、まもなく解放されている。ネタニヤフ政権が、強硬右派政党に支えられているためとみられている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。