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イスラエルがカタールのドーハに集まるハマス指導者らを攻撃
イスラエルのサル外相が、イスラエルは、アメリカの停戦条件を受け入れると表明した数時間後の9月9日(火)午後4時、イスラエルが、カタールの首都ドーハへの攻撃を敢行した。
報告によると、イスラエルの戦闘機10機以上がドーハに到達し、数秒以内に10発以上の弾丸を同一の建物に投下したという。ドーハには、10年以上前からハマスのオフィスがあり、ガザの外での拠点となっている。
標的になったのは、以下のハマス最高指令官6人で、10月7日の計画に深く関わった指導者たちである。

ガザのハマス部隊長のハリル・アル・ハヤ、西岸地区のハマス指導者ザヘル・ジャバリン、ハマス評議会議長のムハンマド・ダルウィシュ、ニザール・アワダラ、そしてハマス海外指導者ハレッド・マシャアル。(ともう一人)
ハマスによると、6人は、ガザに関するアメリカの停戦条件を検討していたとのこと。
この攻撃で、ハリル・アル・ハヤの息子と、アル・ハヤの事務所長、幹部ボディガード3人の計5人が死亡したと発表し、上記6人の死亡は否定した。この他、カタールが、治安部隊要員1人が死亡したと発表している。
この思い切った攻撃は、「火の首脳作戦」とされ、ハマスへの最終的な打撃を狙った攻撃だった。ネタニヤフ首相は、この作戦が成功したら、ガザの戦争は終わると言っている。
ネタニヤフ首相は、8日(月)に発生したエルサレムでのテロを受けて、この攻撃を指示したと表明している。
ハマスの反応:イスラエルは停戦に合意する気がないと非難
しかし、ネタニヤフ首相は楽観的な見方を否定しておらず、6人が死亡したかどうかの明確な結果を待っているところである。
当事者のハマスは攻撃を受けて、イスラエルには交渉で同意する意志がないと非難した。

実際のところ、この攻撃の前に、サル外相が、クロアチアでの記者会見で、アメリカの停戦合意を受け入れると表明はしていた。
しかし、妥協したのではなく、条件として、人質全員解放と、ハマスの武装解除の2点はあげていた。
これは、ハマスが降参してはじめて成立する条件である。ハマスがそのまま受け入れるはずはない。そこへ、この攻撃であった。ハマスは、イスラエルは停戦に合意する気がないと非難した。
ネタニヤフ首相からガザ市民へ
こうした中、ネタニヤフ首相は、ガザ市民にメッセージを発信。今回攻撃したのは、10月7日のイスラエル人虐殺に関わった者たちだと強調し、この組織を排除しなければ、お互いにとって将来はないと語った。
確かに、サル外相が先に、アメリカの案を受け入れると表明しているが、ハマスの脅威がなくなっていることが条件になっていた。
ネタニヤフ首相は、今、ガザの市民に向けて、安心してトランプ大統領の案を受け入れるよう、呼びかけた。
トランプ大統領は攻撃を非難:同時にうまくいけば戦争が終わるとの見解も
イスラエルはこの攻撃は、独断で行ったものであることを強調している。トランプ大統領は後に、イスラエルの攻撃の情報が入ったが、それをウィトコフ特使がカタールに伝えるには間に合わなかったと言っている。
アメリカのトランプ大統領は、この攻撃について、交渉への大きな打撃になるとして、イスラエルを非難した。しかし、もしハマスの最高指導者6人が死亡していた場合は、戦争が終わる可能性も示唆している。
しかし、まだそうなる確証はない。まずは、ハマスの人質への報復が懸念されている。これまでに解放された人質が、イスラエルの攻撃があるたびに拷問されていたと語っていたからである。
人質家族たちは、深い恐怖と、人質が帰ってくるチャンスが著しく落ちたとの深い不安に陥っていると表明している。
また、ヨーロッパは、カタールの首都を攻撃したイスラエルに対し、国際法に違反だと非難の大炎上になっている。
