目次
ハマス最高指導者ヤヒヤ・シンワル(61)死亡
イスラエル軍は17日(木)夜、正式にハマスの最高指導者ヤヒエ・シンワルが死亡したと発表した。
イスラエル軍は、ラファの地下にシンワルが潜んでいる可能性があるとの情報から、今週初頭から、捜索に力を入れていた。
そうして、16日(水)午前10時、イスラエル軍のまだ訓練中司令官たちがガザ南部ラファ、テル・スルタン地区で、通常の対テロ警備を行なっていた時、3人が、建物に出入りする様子を発見した。
午後3時、3人が建物から建物へと移動する様子をドローンが確認した。その映像によると、3人は毛布らしきものを被り、2人が前を先に進んでいたという。
イスラエル軍が発砲すると、2人と後ろの1人は別の建物に逃げ込んだ。この時点ではまさか、この1人がシンワルだとは誰も思っていなかったという。
その1人は2階へ駆け上がった。見習い司令官たちが、確認に建物に入ると、手榴弾が2つ投げつけられたという。1つは爆発したが、1つは不発だった。
建物は、爆弾の罠で満ちていたため、イスラエル軍部隊は撤退し、ドローンが2階へ入っていった。そこには、腕を負傷して隠れている人物がおり、一瞬、木片をドローンに投げつけようとした。
その後、17日(木)夜明け前にその建物に砲撃が加えられ、イスラエル兵が入って発見した遺体が、シンワルにそっくりであることを発見した。
イスラエル軍の訓練司令官たちは、シンワルとは知らずに殺害していたということである。
周囲に罠が多数仕掛けられていたことから、写真とともに指の一部を採取してDNA検査し、シンワルであることが確認された。
午後、遺体が、運び出され、その後、歯科記録などからも確認されているシンワルの遺体が所持していたのは、現金、UNRWA身分証明書、武器、祈り物品、Mentoキャンディーもある。
www.ynetnews.com/article/rykxn1kx1g#autoplay
イスラエル軍は、17日夜22時過ぎ、ハマス最高指導者ヤヒヤ・シンワルが、ガザ南部ラファで死亡したと正式に発表した。
www.ynetnews.com/article/hjs8oyjlje#autoplay
イスラエル国内は喜びと人質への不安
シンワルの死亡を聞いて、イスラエル国内では、各地で喜びが広がり、祝う様子が見られた。
しかし、シンワルが死亡したことで、一番気になるのは、人質である。人質101人(生存は50人ぐらい?)は、シンワルの近くにいなかった。実際のところ、人質は各地に散らばっていて、シンワルがすべて把握していたわけではないとも言われていたのである。
シンワルが殺されたことで、今後の交渉の可能性がなくなっただけでなく、人質がどこにいるのか、彼らを管理している下位のハマスたちが、人質に何をするかもわからない。
テルアビブでは、シンワルの死を喜ぶ一方で、家族たちは、以前より不安を募らせており、シンワルが死んだ今こそハマスとの交渉を実現してほしいと言っている。
アラーはどっち!?:イスラム世界から2種類の反応
アメリカの外務省は、シンワルの死後、ヘルツォグ大統領に電話をかけて祝辞を伝えた。ヘルツォグ大統領は、今の最優先事項は、人質の奪回だと伝えたという。
アメリカ国務省は、10月7日の首謀者であったシンワルが死亡して、主な障害が取り除かれた今、停戦と人質解放に向けた取り組みを加速すると表明した。
ブリンケン米国務長官は、すでに、カタールとサウジアラビアの外相とガザの戦後処理についての協議を始めた。近いうちに中東を訪問すると表明しているとのこと。
石のひとりごと
今朝起きた時、ちょうどイスラエル軍のハガリ報道官による記者会見が、ヘブライ語で始まっており、続いて英語の声明が始まるところだった。
シンワルの死亡を聞いて、人の死ではあるのだが、なんともいえない、浮いた気持ちが心にあった。同時に、今こそ、人質のために祈らなければとの危機感も強く感じた。
これは筆者の想像にしかすぎないが、もしかしたら、イランが、今イスラエルの攻撃を受けようとする危機に直面する中で、シンワルを見捨てて、ガザで戦闘を終わらせようしたのではないかとも思ったりする。
ナスララが死んで、ヒズボラがどうなるかもわからない。フーシ派はアメリカに攻撃されている。イランだけでも助かろうとしたのではないかと感じたりもする。
それにしても、聖書を知っている人なら、このことの背景に、聖書の神、主を思った人は少なくなかったのではないか。
シンワルは、人質に囲まれ、大勢の戦闘員に守られていると誰もが思っていた。ところが、全く予想外に、イスラエル軍の目の前に、たった2人の護衛で現れ、最後は惨めに一人で殺された。
顔も遺体も世界にさらす結果となった。しかも殺したのは、イスラエル軍のエリート部隊ではなく、司令官訓練生だった。
この光景から思い出すのは、カナン人の王ヤビンの将軍という立場にあったシセラが、イスラエル軍バラクの前に、一人、徒歩で逃げ、最後は、へベルの妻ヤエルという女性に殺されたという経緯である。(士師記4章)
結局のところ、イスラエル軍の力や能力によらず、ただ主の時がきて、シンワルが死亡したという様子である。伝道の書には次のように書いてある。
天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。植えるのに時があり、植えた物を引き抜くのに時がある。(伝道の書3:1-2)
これから主がどうされるのか、私たちにはわからないが、へりくだって、見守りながら、とりなすことを教えてくださることを期待している。