イスラエルがヒズボラ武器庫など空爆10人死亡:ヒズボラのミサイル誇示クリップ発表の後 2024.8.17

Wadi al-Kfour, Nabatieh province, south Lebanon, August 17, 2024. (AP Photo/Mohammed Zaatari)

イスラエルがヒズボラ武器庫など空爆:10人死亡

ヒズボラとイスラエルの間には、ほぼ毎日のように、攻撃の応酬が続いている。

ドーハで仲介国の元、イスラエルとハマスの交渉が行われる中、イランとヒズボラは、交渉が続く限り、イスラエルへの攻撃を控えると示唆していたが、ヒズボラのイスラエルへの小規模なロケット弾や、ドローン攻撃は続いていた。

こうした中、イスラエルは17日早朝、レバノン南部ナバティエにあるヒズボラの武器庫と、ヒズボラ関連の建物を空爆したと発表した。

レバノンのメディアによると、この空爆で10人が死亡。4人が負傷した。被害にあったのは12人の家族であり、死者の中には子供も含まれていると発表している。また、死者の中にはシリア人も含まれているとのこと。

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イスラエルとヒズボラが軍備誇示

Jerusalem, August 16, 2024. (Shlomi Amsalem/GPO)

これに先立ち、イスラエル空軍は15日、戦闘機のF35とF15による訓練を実施。空中で、給油する訓練も行い、イランに到達できるほどに長距離飛行も可能であることを示した。

するとその翌日16日、ヒズボラは、射程140キロのミサイルの地下施設の様子をXで公表した。

巨大なミサイルが地下通路を通って発射台に運ばれ、今にも発射される様子である。

イスラエルの専門家によると、ヒズボラはこの他、射程200キロに及ぶ巡航ミサイル、精密な誘導ミサイルも保持しているとみられる。ヒズボラのイスラエルへのミサイルは15万発と言われている。

ビデオの最後に、戦闘員が、「我々“抵抗組織”は、精密と通常のミサイルを保有している。その他の武器も準備しており、もしイスラエルが攻撃してきたら、イスラエルは予想だにしない破壊を経験するだろう。

我々との戦闘は、パレスチナ全土、レバノンとの国境、ヨルダンとの国境から紅海にまで拡大するだろう。キリアットシモナ(イスラエル最北端)からエイラット(イスラエル最南端)まで拡大する」と言っている。

イスラエル軍のレバノンへの攻撃で、10人が死亡したのは、このビデオ発表の2日後であった。

ビデオが言っているように、ヒズボラが大規模な反撃に踏み切るかどうか、注目される。

石のひとりごと

ヒズボラのこのビデオを見て、なんとも古いというか幼いというか。。BGMからして脅迫そのものであり、イスラエルからすれば、恐れるどころか、少なくとも、彼らのメンタリティがこんなものかという感じだったのではないかとも思えてしまう。

しかし、この愚かさが、大勢の死に関わってくるのだから、油断せず、背後で戦い、阻止していかなければならない。イスラエル軍の攻撃で死亡した10人は、戦闘員だったとは思うが、詳細はこれから出てくるだろう。私たち人間の愚かさを主があわれんでくださるように。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。