目次
戦争と並行して継続するハマスとイスラエルの停戦・人質解放交渉への試み
ガザでは、イスラエル軍が、ほぼ全域で地下トンネルの摘発とハマスやイスラム聖戦のインフラを破壊し、ハマスの指揮官をできるだけ排除する作戦を続けている。
ガザは、もはや修復が不可能なまでの壮絶な破壊の様相になりつつある。
しかし、世界はなんとか戦争を終わらせたいので、戦争が続く中でも、カタールのドーハでは、ハマスとイスラエルの交渉団一行が、かろうじて交渉を続けている。
交渉は、イスラエルとアメリカ、国連も合意した条件で、ハマスに提示したが、ハマスがこれに応じず、独自の修正案を提示してきたため、合意に至らない状態にある。
ハマスは、最初の6週間の停戦と人質解放の期間に先立ち、イスラエルは完全撤退し、その後ガザに戻らないと約束することを求めた。ハマス殲滅を目標にするイスラエルがこれを受け入れるはずはない。交渉は破綻した。
その後、双方から、いろいろな譲歩案が出たが、今の所、大きな進展はない。しかし、それでも諦めるわけにはいかないので、ガザでの戦闘と並行して交渉は続けられている。
今、ハマス武装勢力が弱体化するとともに、ガザ市民からの圧力もあり、交渉において、ハマスが譲歩するかのような様相を見せていた。今現在は、ドーハからカイロへ移動しての交渉になっており、今度こそ突破口になるのではないかとの期待も広がっていた。
強気のネタニヤフ首相:4つの鉄則を提示
しかし、そうなると、今度は、ネタニヤフ首相が強気にで始めており、そのせいで、また交渉は座礁するのではとの懸念が広がっている。
ネタニヤフ首相は、ハマスとの交渉においては、交渉不可能な4つの鉄則をあげた。
①戦争の目標が達成されるまで、イスラエルはガザに戻ることができる、②エジプトからガザへの武器の密輸を不可能にする、③大勢の武装テロリストがガザ北部に戻ることを不可能にする、④生存している人質を最大限、解放する。
要するに、イスラエルは、ハマス殲滅、人質奪回という目的を達成するまで、戦いを止めるつもりはないという宣言のようなもので、ハマスには敗北以外の何者でもない。
今回も交渉で合意を得られるとは思えない様相にある。イスラエル国内外で、ネタニヤフ首相への批判が高まっている。