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ラファ東部制覇か:スズメ蜂襲撃でIDF10人搬送
1) 交渉はほぼ挫折も話し合いは継続
カイロでの交渉では、ハマスが、第一段階で返還する人質33人について、生きている33人での検討であるはずが、死んだ者も含むと言ったり、第一段階の期間を42日(6週間)で検討するはずが、倍の12週間と言っていることも明らかになった。
こうしたことの繰り返しなので、イスラエルは、やはりハマスは、武力で対応するしかないと確信し、ネタニヤフ首相が、孤立しても戦うと宣言。交渉は事実上暗礁に乗り上げた形である。それでも、交渉はイスラエル代表も含め、今もまだ続けられている。
こうした中、6日、イスラエルは、ラファ検問所のガザ側へ侵攻し、東西を分ける道路を制覇したことで、ラファ東部は支配下においたとみられる。
しかし、わながしっかり仕掛けられている地であり、本格的な銃撃戦にもなり、ハマス戦闘員が死亡し、地下トンネルの摘発・破壊もすすめられている。
イスラエル軍の勧告で避難した人々は、ラファ東部からを中心に、その他の地域からも避難しており、15万人とも言われている。
しかし、これは、ラファ全体の避難民の10分の1ほどであり、まだ多数の民間人が残留している。
BBCによると、この地域にあった病院からは、スタッフが避難を命じられて、透析や新生児のケアができなくなっているとBBCなどが報じている。
しかし、アルジャジーラ含め、今の所、この地域での大規模な市民の死亡という報道はない。
www.bbc.com/news/world-middle-east-68983445
最新のニュースでは、イスラエル軍が新たな地域の避難民に移動を命じたとのこと。戦闘地域が拡大するかもしれない。
2)スズメ蜂がイスラエル軍兵士を襲撃
こうした中、予想外のことが起こった。10日、ラファへ入った戦車が、スズメ蜂の巣を破壊してしまったため、スズメ蜂の大群がイスラエル兵を襲った。これにより、12人が負傷。10人が病院に搬送され、1人は重症で、ICUに入っている。
病院によると、数百箇所さされていた兵士もあったという。幸い、命に危険がある者はないとのこと。
www.timesofisrael.com/12-soldiers-stung-by-wasp-swarm-after-tank-runs-over-nest-in-southern-gaza/
ガザ全域へ戦闘拡大:ガザ市でイスラエル兵4人死亡
戦闘は、ラファだけでなく、再びガザ全域にも広がっており、10日、ガザ市激戦地ゼイトゥーンでの戦闘で、学校建物に捜査に入ったところ、廊下に仕掛けられていた爆弾が爆発して、イスラエル兵4人が死亡。複数が負傷したと報告した。
死亡した兵士は、イタイ・リブニィ軍曹(19)、エルミヤス・メクリヤウ軍曹(19)、ヨセフ・ダサ軍曹(19)、ダニエル・レビ軍曹(19)全員19歳で、基本的な訓練を先月終えたばかりであった。いわばほぼ高校卒業したばかりの若者ということである。
また、ヨセフさんとダニエルさん(写真右2人)は、小学校からの同級生で、ずっと共に成長し、IDFにも一緒に従軍して、同じ部隊に配属されていた。家族の痛みははかりしれない。
www.ynetnews.com/article/r1ie6k3ga#autoplay
ベエルシェバへロケット攻撃
久しぶりになるが、ガザからロケット弾5発が、ベエルシェバに向けて発射された。1発は迎撃ミサイルが撃墜。残りは空き地に落ちて被害はなかった。
www.ynetnews.com/article/sj1zlrom0#autoplay
これからどうなる?:祈りは“ガザがその支配者を排除するように”(エルサレム祈りの家:スカット・ハレル)
1) 先行き見えないガザ情勢
イスラエル軍は、今、ラファへの侵攻に足を踏み入れた形だが、ここからどう進むかは、アメリカの出方にも影響を受けるのかもしれない。
アメリカは、イスラエルにアメリカから供与された武器が、ガザで使われることに目を光らせている。今の所、イスラエルが、アメリカの武器で国際法に違反する攻撃を行った証拠はないと言っているが、同時に、これからの動きに注視すると言っている。
もし、国際法違反が確定された場合、アメリカはイスラエルを後押しできなくなり、イスラエルは、非常に困難な局面を迎えることになるだろう。それを今、見極めている段階かもしれない。
そうこうしているうちに、これまでの戦闘で、制覇したと考えられていたガザ北部や中部では、ハマスが舞い戻って拠点を再構築しており、イスラエルは、再度激しい戦闘を強いられている。
また気になる点は、ラファにハマス最高指導者シンワルがいないのではないかという情報である。イスラエルは、ラファには、ハマスの最後の4大隊と人質、人質と盾にしているシンワルもいると信じて、戦闘体制に入っている。もしシンワルがいない場合、多くの犠牲を払って、戦闘を続けても、作戦を完成できないことになる。
イスラエルは、ハマスを撃退した後、UAEなど湾岸諸国の助けでガザを再建し、立て直すだけでなく、貿易の拠点に成長させる計画も発表している。
UAEもこれに協力しても良いとの反応を見せている。しかし、まずは、シンワルとハマスを撃退しなければ、この目標に進むことはできないのである。
2) 今祈ること:ガザが王を失って癒しが入っていけるように(ゼカリヤ書9:5-8)
この状況になる1ヶ月ほど前、エルサレムで長年祈りの家のミニストリー、スカット・ハレルを運営しているリック・ライディング牧師が、ガザのために、ゼニーヤ書9:5-8を元に、ガザが今の指導者から解放され、人道支援物資とともに福音と霊的な癒しが一気に入っていけるように祈ろうと呼びかけていた。
同じメッセージが、5月10日にももう一度発信されていた。
ハマスは、麻薬を使うなどして戦闘員に残虐なことをさせたと報告されている。いわば普通の状態であるとはいえない。
今、ガザにいるシンワルとハマス戦闘員たちの目が開かれて、人質とともに出てくれば、イスラエルは攻撃を止めることができる。これこそが、最速の解決である。
そうして、ガザがその勢力から解放された後であれば、支援物資も検査もなしに運び込めるようになり、福音も入って霊的な解放にもつながっていく。祈りの一つの方向性ではないかと思う。
アシュケロンは見て恐れ、ガザもひどくおののく。エクロンもそうだ。その頼みにしていたものがはずかしめられたのだから。ガザからは王が消えうせ、アシュケロンには人が住まなくなる。
アシュドデには混血の民が住むようになる。わたしはペリシテ人の誇りを絶やし、その口から流血の罪を除き、その歯の間から忌まわしいものを取り除く。彼も、私たちの神のために残され、ユダの中の一首長のようになる。エクロンもエブス人のようになる。
わたしは、わたしの家のために、行き来する者を見張る衛所に立つ。それでもう、しいたげる者はそこを通らない。今わたしがこの目で見ているからだ。(ゼカリヤ書9:5-8)