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レバノンのタイヤでレバノンのハマス軍事トップ死亡
ハマスの司令官たちへの攻撃が増えてきた。13日、イスラエルは、レバノンの都市、タイヤ付近を走っていた車両をドローンで空爆。2人が死亡。そのうちの一人は、レバノンにおけるハマス軍事最高責任者と目される、ハディ・ムスタファであった。
イスラエル軍によると、ハディ・ムスタファは、今年1月2日にベイルートで暗殺されたハマスNo2のアル・アロウリと共にいて死亡した、ハマス軍事長官サミール・ファウディの部隊の最高責任者で、全世界でイスラエル人とユダヤ人に対するテロ作戦を指揮していた人物。
今回のドローンによる攻撃は、このムスタファ殺害を目的として行われたという。この時たまたま付近をバイクで通過中だったシリア人男性も死亡していた。
ヒズボラとの全面戦争はどうなる?
今週に入り、レバノンにいるヒズボラとの空爆の応酬は激化の一方で、イスラエルにも100発に及ぶロケット弾が飛来している。北部ではしょっちゅう、サイレンが鳴っているが、迎撃ミサイルシステムがカバーしており、幸いイスラエル側に被害は出ていない。
一方、イスラエルからは、10月7日以以降だけで、倍返しをはるかに超える、4500回もの空爆が、ヒズボラの軍事拠点、武器庫、ミサイル発射地などへ行われている。最近では、レバノンとの国境から100キロも奥地への空爆も行われた。
これまでに、死亡したヒズボラ戦闘員はおよそ300人(ヒズボラは244人と発表)。このうち5人は司令官レベルである。イスラエルの死者は、これまでに兵士10人と民間人5人。
明らかにイスラエルがヒズボラに与えている打撃の方が大きい。ヒズボラとイランがどこまで、反撃に出ないのかというところだが、今のところ、ナスララ党首は、ガザとの連携は表明するが、ヒズボラが犠牲になるほどの介入をするつもりはないとみられている。イランも同様の方向のようである。
しかし、それがいつまで続くのかは誰にも予想もまた不可能である。
また、レバノン人も国境周辺から数万人の住民は避難しているが、イスラエル側でも8万人が、他地域のホテルなどへ避難してもう5ヶ月になる。先がまったくみえない北部情勢。避難民たちも限界に来ており、政府の補償にも限界が見え始めている。*イスラエル国内の避難民は、南北合わせて13万5000人にのぼっている。
総合的に見て、全面戦争になるのではないかとの懸念も飛び交っている。