ヒズボラの砲撃でイスラエル人に死傷者・その後も砲撃続く:フランスの停戦案無視か 2024.2.14

Israel, January 14, 2024 (photo credit: t.me/Gurad_Israel/Handout via REUTERS )

ヒズボラの上ガリラヤ地方への攻撃でイスラエル人に死傷者*現在進行中

北部では、ヒズボラとイスラエルの砲撃の応酬が、毎日のように続いており、イスラエル人にも負傷者が出ている。

2月13日には、ヒズボラが発射したロケット弾が、キリアットシモナの住宅に直撃。イスラエル人少年(15)とその母親(47)が重傷となった。2人はヘリコプターでハイファのランバン病院へ搬送され、治療を受けている。イスラエルは、ロケット弾発射地への反撃を行った。

ヒズボラはこの攻撃は、その前日のイスラエルの攻撃で、少なくとも戦闘員2人が死亡したことへの反撃だと主張した。その後、その2人に加えてささらに2人が死亡して4人になっていたことがわかった。後の2人は、パレスチナ人でイスラム聖戦所属であった。

www.timesofisrael.com/mother-teen-son-seriously-hurt-in-hezbollah-rocket-attack-on-kiryat-shmona/

イスラム聖戦は、パレスチナ人テロ組織で、ハマスよりはかなり小さいが、確実にイランの傀儡である。いわばヒズボラの兄弟分のような存在である。Times of Israelによると、イスラエルとの国境で戦っている、ヒズボラのエリートとされるラドワン部隊にかなりイスラム聖戦のパレスチナ人がいるとのことである。

その後にあたる本日も日本時間16時ぐらいから上ガリラヤ地方にロケット弾が開いしてサイレンが鳴っている。現在進行中の情報だが、この攻撃でツファットで、イスラエル兵1人が死亡、4人が負傷したもようである。

www.jpost.com/breaking-news/article-786847

フランスの停戦案:ヒズボラは国境から10キロ以内から撤退と譲歩案

ヒズボラがイスラエルへの攻撃を行った直前、フランスからレバノン政府に、ヒズボラやその他の組織は、イスラエルとの国境から10キロ(6マイル)離れることを含む停戦案の文書が手渡されていた。

2006年の第二次レバノン戦争後の国連決議によると、本来、ヒズボラは、リタニ川がある、イスラエル国境から30キロより南に入ってはならないとされている。それからすると10キロというのは、かなりの譲歩ということである。

具体的には、この件で合意した場合、第一段階が、3日以内に、ヒズボラが撤退を開始し、第二段階で、レバノン軍1万5000人が、イスラエルとの国境に駐留して平穏を維持する。続いて第3段階は、イスラエルとレバノンが、10日以内に、段階的に陸上の国境の策定を行う。これにより、両国の間に、非武装地帯を作るとしている。

www.timesofisrael.com/france-proposes-israel-lebanon-truce-deal-pushing-hezbollah-10-km-from-border/

ヒズボラのナスララ党首は、イスラエルがハマスへの攻撃をやめるまでは、攻撃を継続すると言っており、このタイミングでのイスラエルへの攻撃したということが、フランスの案は無視するということのようでもある。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。