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ガザの人道危機の様相
世界の報道は、水や電気が底をついて悲惨な状況に陥っているガザ北部の様子を伝えている。国連は、ガザ北部の病院が燃料不足でその機能を全て停止していると報告。ガザ最大のシファ病院では、電気切れで、保育器にいた新生児32人が死亡したといった報告が世界を震撼させている。
13日時点での病院からの報告では、あらたに集中治療室にいいた成人患者27人と、新生児7人が死亡したとのこと。なお確認は難しいとのこと。また、ガザ内部で、難民のケアもしている国連(UNRWA)も、昨日の時で、48時間以内に機能が停止すると警告を出した。
この様子から、アメリカのバイデン大統領が、ハマスに対し、人質を早く解放するようにしながらも、イスラエルも病院への攻撃は最小限にしなければならないといった声明を出した。
ガザで大勢の市民が巻き添えになっているので、イスラエルでは、国際社会がイスラエルの攻撃に忍耐するのは、あと2-3週間が限度だとの見方が出ている。
イスラエルのガザへの人道対策
しかし、ハマスが、シファ病院だけでなく、その他の病院も拠点にして、そこからの攻撃も続いているので、これからも病院が戦闘の場になることは避けられない。以下は、イスラエルが実施しているガザへの人道支援。
シファ病院には、保育器や人工呼吸器を補充しているほか、逃げられる子供の避難も支援する用意があると言っている。
1)避難回廊継続オープン
イスラエル軍は、続けて、人道回廊を開放して、民間人ができるだけ戦闘エリアから避難できるようにしている。先週だけで、20万人が、南部へ避難した。イスラエルは、「イスラエルが戦っているのはハマスであり、ガザ市民ではない。」と強調している。
2)人道支援物資搬入:トラック850台・救急車12台がガザへ
また、イスラエル軍報道官によると、国際機関とも協力し、10月7日以前にしていたように、定期的な人道支援物資の搬入を行なっている。イスラエル軍によると、食糧や水、医薬品を乗せたトラック850台がガザに入ったとのこと。
3)シファ病院へ:燃料・保育器・人口呼吸器搬入と患者脱出支援
燃料はハマスが悪用する可能性があるので、搬入は行なっていない。しかし、イスラエルは、昨日、報告したように、病院に燃料(ディーゼル)300リットルを病院に持っていったが、ハマスがこれを阻止して病院内に運ばれることはなかったとのこと。
また救急車は、ハマスが移動に使っているために、イスラエル軍に破壊されている。このため、エジプトから救急車12台がガザに入った。これらはクエートの寄附だという。
www.jpost.com/israel-news/article-773115
イスラエル軍のCOGAT(協力部門)は、シファ病院との対話を維持している。以下は、病院にいる子供の患者の脱出を支援することや、必要な物を聞いている会話の様子。保育器37台と子供用人工呼吸器4台を病院の前に置いておくと約束している。
ここで注目すべきは、イスラエルは、病院の中には入っていないということ。病院の中が戦闘になっているわけではないということである。