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日本では、ガザのシファ病院への“イスラエルによる”攻撃で、赤ちゃんが死んでいるといった報道になっているが、イスラエル軍はまだ病院内での本格的な戦闘にはまだ踏み切っていない。
ガザでの激戦:イスラエル兵5人・続いて2人戦死
最終的には、シファ病院での戦闘が鍵になとのことだが、実際には、まだ周辺にあるハマスやイスラム聖戦の拠点の一掃が終わっていないのである。イスラエル軍は、病院周辺だけでなく、学校やモスク、民家周辺で、ハマスやイスラム聖戦の拠点やトンネル、武器庫数十ヶ所が摘発・破壊する作業が続けている。
また国連の学校の避難民の中に紛れていた武装ハマスや、それを匿っていた避難民など20人を逮捕したとのこと。人質に関する情報などを得る目的があるとみられる。
いうまでもなく、ハマスとの激しい銃撃戦も発生している。また、10日、シファ病院から車で30分ぐらいのところにあるベイト・ハヌン地域のモスクに続く地下トンネルにしかけられていた罠で、イスラエル兵5人が戦死した。
5人のうち4人は代551旅団の697部隊隊員だった。モシェ・ヤディディヤ・レイテル少佐(39)は医学生で衛生兵。3ヶ月の子供含む6人の子供の父親だった。
ヨシ・ハシュコヴィッツ軍曹(44)は高校の校長。マタン・メイア軍曹(38)は、多数の賞を受賞したテレビ「ファウダ」のプロデューサー、セルゲイ・シュメルキン軍曹(32)、ネタネル・ハルシュ軍曹(34)は、10月7日を機にイスラエルに帰国して従軍していた。
本日、あらたに2人の戦死が報告されており、これまでのガザ地上戦での戦死者は44人となった。(10月7日以降363人)
シファ病院の現状とイスラエル軍の対処
シファ病院へ踏み込むためには、できるだけ民間人がいない状態にしなければならない。イスラエル軍は、シファ病院から南部への避難の誘導を続けているが、相変わらずハマスの妨害にあっているとのこと。シファ病院の他、ランティシ病院、ナセル病院からの避難も促進している。
北部から南部へ向かうサラハディン通りは、人道回廊として、12日も朝9時から16時まで開放された。10時から14時までは、人道物資を搬入するための別のルートも開放した。(IDFのHPより)この数日で、あらたに20万人が南部へ避難したとみられている。
しかし、当然、重症で動けない人がおり、ケアする医療スタッフも南部への避難は不可能である。WHOのよると、ここ数日の戦闘で、水や燃料が底をつき、電気が止まって、未熟児5人と重症患者7人が死亡した。
イスラエル軍は、病院に300リットルの燃料を搬入しようとしたが、ハマスがこれを妨害したと軍は発表している。以下は、燃料を運び込むイスラエル兵と、それを妨害しようとするハマスの会話傍受録音。
IDF says it supplied 300 liters of fuel for "urgent medical purposes" at Shifa Hospital in Gaza City, but Hamas prevented the medical center from receiving it.
Early this morning troops placed the jerrycans near the hospital, as had been coordinated in advance with officials at… pic.twitter.com/W5VYeJW2y8
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) November 12, 2023
www.timesofisrael.com/troops-advance-in-north-gaza-as-battles-continue-near-shifa-hospital/
しかしこれについては、病院側は、300リットルでは、発電機を30分稼働させるにすぎないと言っている。
アメリカは、今後、病院が戦闘の場になり、民間人が多数犠牲になることに、懸念を表明している。イスラエルとしても、民間人の犠牲は望むところではないので、これからどう動いていくのか、難しい局面である。