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金曜から土曜にかけて、ガザ最大のシファ病院はじめとする病院への攻撃が始まっている。
激しい戦闘の結果、イスラエル軍は、ハマスの主要な拠点を制圧・破壊したが、病院が攻撃されているので人々がパニックになっている。死者数の増大で、国際社会のイスラエルへの目も冷ややかになりはじめている。
シファ病院周辺での戦闘:ハマス最重要前哨地バダールを制圧
イスラエル軍は、木曜、ガザ市内で海岸に近い位置にあるシファ病院敷地内周辺に避難していた5-6万人(ベッド上2500人)のガザ市民に南部へ移動するよう指示した。
しかし、ハマスはこれを妨害している。以下は白旗を上げて出て行こうとする人々が銃声と共に、戻ってくる様子。
BREAKING: Civilians try to leave Al-Nasr Hospital, Hamas shoots them in cold blood, they are his human shield and he does not let them leave pic.twitter.com/VaBb0Ln7pV
— Association of Hospitals in Gaza (@GazaHospitals) November 10, 2023
その後、木曜から金曜夜、シファ病院とその北部にあるアル・シャティ難民キャンプにかけて、IDF第401師団と武装ハマスが激しい銃撃戦になった。
最終的に、401師団がこの地域にあったハマス最重要級とされるバダール前哨地を破壊をした。
ハマスは、シファ病院への攻撃で、民間人13人が死亡したと、イスラエル軍を非難している。しかし、イスラエル軍によると、13人は、ハマスがイスラエル軍に対して撃ち込んだミサイルによって死亡したとのこと。
ハマスはまた、アル・シャティ難民キャンプにあるアル・バラク学校での爆発で、ハマス指導者イスマエル・ハニエの祖父を含む50人が死亡したと発表した。これについては、現在、ガザの学校は閉鎖になっているので、真偽の確認は難しいとイスラエル軍は見ている。
さらに同じ地域にあるブルーホテルという高級ホテルでは、武装30人が立てこもってイスラエル軍と戦闘になった。戦車砲を撃ってきたりもしたが、これも制圧した。
この一連の戦闘で死亡したハマスは150人。イスラエル側の戦死者の報告はない。これまでにイスラエルは、ガザ内部1万5000箇所を破壊。ミサイルた対戦車砲などさまざまな武器6000個を破壊した。
IDF says it has struck some 15,000 targets belonging to terror groups in the Gaza Strip since the beginning of the war on October 7, and seized and destroyed some 6,000 weapons, including firearms, rockets, anti-tank missiles, anti-aircraft missiles, explosive devices and… pic.twitter.com/ZoyJVLMSX1
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) November 10, 2023
イスラエル国内へのロケット弾やドローンなどは、昨夜はテルアビブ周辺にも飛来した。ハマスが10月7日以降、イスラエルに撃ち込んだロケット弾は9500発。このうち12%に及ぶ900発はガザ市内に着弾していた。
ガザ市内シファ病院などの様子:パレスチナ人死者1万人超え
イスラエル軍はハマスの制圧を続けているが、それに伴い、民間人の犠牲は確実に増えている。
金曜から土曜にかけて、シファ病院と他に3つの病院が包囲され、激しい戦闘になったとのこと。シファ病院での悲惨な様子をロイターが伝えている。
アルジャジーラによると、包囲された病院の一つ、アル・クッズ病院では、病院内で双方の射撃手による銃撃戦になったとのこと。
www.aljazeera.com/news/2023/11/10/hospitals-in-north-gaza-come-under-siege-as-fighting-intensifies
これまでに死亡したパレスチナ人は、ガザの報告としてアルジャジーラが伝えたところによると、11078人。このうち、4506人は子供。負傷者は2万七千四百九十人(子供八千六百六十三人)また国連は、国連職員もこれまでに101人が死亡と発表している。
www.aljazeera.com/news/2023/11/10/hospitals-in-north-gaza-come-under-siege-as-fighting-intensifies
1日に4時間(3時間前に通告)の人道的な戦闘停止については、ネタニヤフ首相も認めているが、実行については、イスラエルが主権を持って決めるとしていて、実際の動きは明らかではない。
一方、イスラエル側の死者だが、イスラエル政府は、これまで1400人としていたところ、1200人と訂正した。遺体はまだ、身元が全部解明したわけではなく、不明者もおり、人数はこれからもまだ変動するとみられる。人質は240人。