ネタニヤフ首相から団結する国民へ「我々は必ず勝つ」:6日国家祈りの日よびかけ 2023.11.4

イスラエル軍兵士を励ましにいく超正統派October 11, 2023. (Menahem Kahana/AFP)

我々は必ず勝つ:ネタニヤフ首相

10月7日以来、戦争に突入したイスラエルだが、今予想以上の国家的危機に直面し、これまでにないような一致団結の様相にある。3日の安息日入りにおいて、ネタニヤフ首相は国民にメッセージを発した。

ネタニヤフ首相は、「イスラエルの敵は我々を滅ぼそうとしている。しかしその試みは必ず失敗する。我々は勝利するまで戦う。それはハマスの殲滅と人質を取り返すこと、私たちの市民と子供たちのための治安を取り戻すことだ。」と語った。

また戦場で戦っている兵士たちについて、地上軍と空軍が協力し、休むことなくテロリストと戦っていると賞賛と感謝を述べた。

ブリンケン国務長官の訪問については、バイデン大統領とアメリカには感謝するとしながらも、人質解放が含まれない休戦には応じないこと、ガザ地区への燃料搬入も認めないとしたと、国民に伝えた。(燃料については上記の通りで、人道ではなくハマスが使うことになるため)

団結するイスラエルの人々:超正統派もすすんで従軍

ハマスとの戦争は、イスラエル人の心も生活も一変させてしまった。国内では、ガザ国境のキブツで行われた凄惨なテロ暴力と、人質に240人もとられていることに、人々の心は、今もショックに打ちひしがれている。

Israelis mourn Ili Bar Sade, a soldier who was killed in an attack by Hamas terrorists, at his funeral in Tel Aviv, Israel, Oct. 9, 2023. (Reuters/Hadas Parush)

イスラエル国内では、1400人もの人が殺されたことで、葬儀の毎日だったが、最近では、従軍している兵士、しかも19歳、20歳といった若者の葬儀が続くようになっている。

倒れ込んでしまってもおかしくない状況だが、イスラエル人たちは、このショックと痛みを共有することで、これまでにない、一致と団結が生まれている。

1)超正統派3000人が進んで従軍

まず超正統派の若者たち3000人が進んで従軍している他、あらゆるボランティアに参加している点である。

これまで、超正統派が従軍しないと主張し、ずっと国内で争っていたことはお伝えしてきた通りである。ところが、今、イシバ(ユダヤ教神学校)では、現状は物理的、実際的なイスラエルの危機と認識し、皆で、詩篇130編を朗読して、イスラエル軍のあらゆるニーズに手助けしようとしているという。

www.timesofisrael.com/israels-war-spurs-thousands-of-haredi-israelis-to-volunteer-cook-and-serve-in-the-idf/

主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。主よ。私の声を聞いてください。私の願いの声に耳を傾けてください。主よ。あなたがもし、不義に目を留められるなら、主よ、だれが御前に立ちえましょう。しかし、あなたが赦してくださるからこそあなたは人に恐れられます。

私は主を待ち望みます。私のたましいは、待ち望みます。私は主のみことばを待ちます。私のたましいは、夜回りが夜明けを待つのにまさり、まことに、夜回りが夜明けを待つのにまさって、主を待ちます。

イスラエルよ。主を待て。主には恵みがあり、豊かな贖いがある。 主は、すべての不義からイスラエルを贖い出される(詩篇130)

2)一般市民もできることでボランティア

兵士や必要な人に届ける弁当をつくるユースたち 10月12日 Tel Aviv

イスラエル国内では、エイラットや死海のホテルが、南北国境から避難している人々を受け入れている。全人口の50%以上が、ホテルにいる人々を助けたり、支援物資を届けるなど、なんらかのボランティアに着手しているという。

エルサレムのホロコースト記念館ヤド・ヴァシェムは、教育施設を避難民の子どもたちの教室として開放している。ユースグループは、従軍に出た家族を助けるため、ベビーシッターをしたり、お弁当を届けたりである。

www.timesofisrael.com/with-adults-off-to-war-israeli-teens-are-stepping-up-in-their-communities/

エルサレムアッセンブリーや、さまざまなメシアニックジューの教会で、海外からの支援を集めやすいグループは、戦場にいる兵士に必需品を届けている。

www.jpost.com/business-and-innovation/opinion/article-770716

やはり、危機がくれば、より元気になるのがイスラエル人である。10月7日の残虐性と、世界の理解の無さ、反ユダヤ主義急増など、世界的な拒絶を経験したのだが、やはり、それに押し潰されてしまうような人々ではない。というか、押し潰されるという選択はないとユダヤ人たちはいうのである。

この今までにないほどの一致と団結に感動し、神戸のラビ・シュムリック(イスラエル人)は、メシアが来る日が近いとも言われていた。

11月6日(月)戦争から30日で国家祈りの日呼びかけ

11月6日は、ハマスとの戦争が始まってから30日になる日である。この日を記念して、国家をあげての祈り会をしようとする動きがある。

アメリカ系ユダヤ人で、イスラエル国籍を持つ国際的にも著名なジャーナリストで、イエスキリストを信じる福音派でもある、ヨエル・ローゼンバーグ氏が、そのHPで、イスラエルに第二歴代誌7:14を元に、国を上げて今こそ祈るときではないかと呼びかけた。

するとこれに右派ユダヤ教系の政治家たちが合意し、国会議員20人が、チーフラビなどに、これを呼びかけている。安息日明けに動きがあるかもしれない。そうなれば、ユダヤ教徒とクリスチャン指導者たちが、共に祈る時になる。

イスラエルを取り囲む敵がいる中で、ユダヤ人たちが一致するだけでなく、クリスチャンもともに祈る時が実現することになれば、これもまた注目すべきことである。

allisrael.com/orthodox-jews-evangelicals-urge-israel-s-chief-rabbi-to-call-for-national-day-of-prayer-on-monday

www.israel365news.com/378399/letter-to-chief-rabbis-calling-for-day-of-prayer-on-30th-day-of-mourning-for-simchat-torah-massacre/

わたしの名を呼び求めているわたしの民がみずからへりくだり、祈りをささげ、わたしの顔を慕い求め、その悪い道から立ち返るなら、わたしが親しく天から聞いて、彼らの罪を赦し、彼らの地をいやそう。(第二歴代誌7:14)

石のひとりごと

聖書を読んでいる人なら、地球温暖化で、災害と異常気象が続いていることからも、もう十分、終わりの日が近いことを感じさせらているだろう。

その上に、イスラエルをとりまく地政学的、霊的動きをみれば、その日がいよいよ近いことを実感させられる。ラビ・シュムリックが、「メシアが来るはず」と言っている通りである

 

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。