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じわじわ苦難に巻き込まれるアメリカ
アメリカは、イスラエルと同じところに立つと宣言しているのだが、その後、さまざまな課題に直面している。
まず、ガザには、まだアメリカ国籍に市民が200人いるとのこと。200人はバイデン大統領に、早急にエジプトへ出られるよう働きかけてほしいと言っている。
また、ブリンケン国務長官とオースティン国防相が、上院に、イスラエルとウクライナへの軍事支援の予算の要請を出すと、手を真っ赤にそめて、パレスチナの旗を掲げるグループが、「今すぐ停戦」「ガザの子供を守れ」「ジェノサイドを支援するな」などと叫んだ。
ブリンケン国務長官は、この金曜にイスラエルを訪問の予定である。
ニューヨーク州名門コーネル大学学生が反ユダヤ主義暴力で逮捕
アメリカの大学では、ハマスとイスラエルの戦闘勃発以来、全国各地の大学で、反イスラエルのデモが発生しているが、ユダヤ人への中傷や暴利力も問題になっている。
コーネル大学ではそのホームページ上に、大学内ユダヤ食堂(食物規定のため?)を銃撃するとの脅迫が出て問題となっていた。コーネル大学の学生と教職員の約22%はユダヤ人だったので、警察は警備を強化し、この食堂には近づかないようにしていたという。29日、その犯人であった3年男子学生(21)が、逮捕された。
www.cnn.co.jp/usa/35210970.html
アメリカでの反ユダヤ主義暴力は歴史的レベル
アレハンドロ・マヨルカス米国家安全保障長官と、クリストファー・レイFBI長官は、31日、アメリカの上院議会で、アメリカにおけるテロの危険性が歴史的なまでに増大していると警告を発した。
一つは、ISISレベルとも言われる残虐なハマスがアメリカにも来る可能性である。今のところ確固たる情報はないが、可能性は否定できない。またハマスの残虐性を見て、刺激される単独テロも懸念されるとのこと。
また、アメリカで近年ヘイトクライム(憎しみや差別が土台になる犯罪)が問題になる中で、ハマスとイスラエルの戦争が勃発したので、ユダヤ人だけでなく、イスラム教徒やアラブ系市民にも危険がせまっていると警告する。
しかし、やはり特に危険に直面するのがユダヤ人である。レイ長官によると、アメリカのユダヤ人人口は、わずか2.4%だが、ヘイトクライムの60%はユダヤ人関係だという。
反ユダヤ主義の台頭について:歴史的な土台が爆発する時
反ユダヤ主義の深刻な悪化については、CNN(スティーブン・コリンソン氏)も世界に警告を発している。
アメリカではすでにヘイトクライムの増加の中で反ユダヤ主義暴力も増大しているが、そこへ、ハマスとイスラエルの戦争となった。ユダヤ人へのハマスのISISなみの暴力が始まりではあったが、その後のイスラエルの膨大な反撃で、同情は薄まりつつあるという。
しかし、CNNのコリンソン氏は、反ユダヤ主義の増大は、それだけにとどまるものではないと指摘する。反ユダヤ主義暴力は、社会が深刻な問題に直面するときに、欧米社会で悪化するというのが歴史的な傾向である。いわゆるスケープゴートである。
元々ある反ユダヤ主義の土台に火がつく、爆発するのである。ホロコーストの時代も、大昔からある反ユダヤ主義の土台の上に、ナチスのヒトラーが来て、第一次世界大戦後のドイツの苦難の原因をユダヤ人に押し付けたのであった。
CNNは、今世界が、さまざまな問題に直面する中で、再びユダヤ人が、どこにいてもスケープゴートにされる可能性があると警告している。
edition.cnn.com/2023/10/31/politics/antisemitism-unstable-world-analysis/index.html