戦時下緊統一政権(ネタニヤフ首相・ガンツ野党代表)発足 2023.10.12

March 2, 2020. (Marc Israel Sellem/POOL, AP Photo/Sebastian Scheiner)

戦争が始まって5日目の昨日11日、ネタニヤフ首相と、野党の統一党党首ベニー・ガンツ氏は、ギャラント防衛相と並んで、緊急統一政府を立ち上げたと発表した。

リクード戦略担当のロンロン・ダーマー氏(与党)と、元イスラエル軍参謀総長のガディ・エイゼンコット氏(野党)が、オブザーバーを務める。

IDF参謀総長時代のエイゼンコット氏 Wiki

ガンツ氏は、元イスラエル軍参謀総長として、ネタニヤフ首相と戦争を共に戦った経験がある。ガンツ氏とともに、国民統一党から上記, エイゼンコット氏、ギドン・サル氏、チリ・トロッパー氏、イファット・シシ・バイトン氏と防衛関係者が複数加わっている。

ネタニヤフ首相は、11日夜、「イスラエルの民は一致した。ハマスは、子供たちの手をくくって射殺し、男女を生きたまま焼き、女性たちはレイプされ、殺された。兵士たちは斬首されていた。

国に運命がかかっている。政府は今、あらゆる課題をおいて、共に方を並べてイスラエルのために働く。」と国民に向かって語りかけた。またアメリカのバイデン大統領の真摯な支持と国際社会の支持もあることを伝え、国民を励ました。

なお、緊急統一政府を最初に提言したのは、野党代表のラピード氏だったが、ネタニヤフ首相が、強硬右派のスモトリッチ氏と、極右のベングヴィル氏を政府に残しているため、現時点での統一政府には参加していない。

しかし実質的には、スモトリッチ氏もベン・グヴィル氏もこれまでほとんど出番がなく、すべては、ネタニヤフ首相とガンツ氏、ギャラント防衛相の3人が決断している。このためラピード氏もそれなりに様子を見ながら参加する可能性もある。

www.timesofisrael.com/after-days-of-indecision-netanyahu-gantz-agree-to-establish-emergency-war-government/

ギャラント防衛相は、戦時下とは立ち上げの記者会見において、「ガザのISISであるハマスは、この地上から、完全に抹消する。イスラエルの子供たちが殺されるようなことには2度とならない。」と述べた。

www.timesofisrael.com/after-days-of-indecision-netanyahu-gantz-agree-to-establish-emergency-war-government/

石のひとりごと

先週まで、ガンツ氏とラピード氏は、ネタニヤフ首相とは今後いっさい、協力しないと言っていた。国は内乱寸前であった。

非常に大きな痛みを通してであったが、今不思議なことに、分裂は避けられることになった。ネタニヤフ首相の目と顔も、ちょっと元に戻ったような気がする。

この全く驚くべき変化の中に、背後に彼らの神、主がおられることを思っているイスラエル人は少なくないかもしれない。

全能の主であるイスラエルの神は、すべてを支配しておられる。へりくだって、これからイスラエルをどう導いていかれるのか、注目していきたい。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。