連立政権が進める司法制度改革について、連立内部から、これを妨害するような動きが出ている。
現在、国会では、超正統派の若者の徴兵義務免除の期間を26歳から22歳にまで引き下げることを含む「徴兵法」が論じられている。これが可決されると、超正統派で、特に神学校へ言っている若者は、22歳でもう従軍義務から免除されることになる。
ユダヤ教政党は、超正統派ユダヤ教徒が、トーラーの学びをすることは、世俗派が従軍するのと同じレベルの奉仕だと主張して、この法案を推し進めているのである。
興味深いことは、ユダヤ教正統は、今は、司法制動改革を進めるより、こちらの改革法案の可決を先にすべきであると主張している点である。秋の国会初頭で、まずはこの案が通らない場合は、連立を離脱するとまで言っている。こうなると、政府は解散になる可能性が出てくるわけである。
これを受けて、ネタニヤフ首相とレビン法相が、いったん司法改革法案を棚上げにする可能性も見え始めている。今はネタニヤフ首相は、超正統派と交渉を進めているようであるが、イスラエル社会は分断するのか、そうでないのか。いったい、何が、どう動いていくのかは、まったく予想不可能な感じである。