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エルサレムでの連続テロのニュースがトップかと思いきや、今朝はまた衝撃的なニュースがトップになっていた。
イラン国内イスファハンのドローン施設爆破
29日土曜、イラン国内のドローン施設とみられるイラン軍施設が攻撃され、続いて、イラクからシリアへ入ったイランの軍用車列(25台)が攻撃を受けた。いずれもイスラエルによるものとみられているが、イスラエルは、いつものように、ノーコメントである。
今回の攻撃は、イスラエルとアメリカが、史上最大とも言われる共同軍事演習を終えて2日めのことであったため、イランへの強力な警告の意味合いもあるとみられている。
報道によると、土曜夜11:30ごろ、イランのイスファハンの軍事施設がドローンによる攻撃を受けた。相当大きな爆発が連続して発生し、たまたま、この時に、イラン北部で発生したマグにチュード5.9の地震もあいまって、2人が死亡したとのこと。
この施設では、イランの殺戮用ドローン、シャヒート136が製造され、保管されていた。イラン防衛相によると、飛来したドローンは3機で、2機は撃墜したが、1機が着弾して自爆していたとのことである。
のドローンは、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに販売されていたものであった。“カミカゼ”の異名もとる、このドローンは、ウクライナの市民や重要なインフラを攻撃していたものである。
ウクライナでロシアと対峙するアメリカにとっても大きな戦果であり、この攻撃が単に、イスラエルが攻撃したという、これまで以上の意味合いがあるともみられている。
なお、爆破された工場について、イランは「ワークショップ」と言って隠蔽していたとのことで、かなり高度な情報集主力と、高度なドローンの操作力が駆使されていたと考えられる。
www.timesofisrael.com/report-israel-carried-out-drone-attack-on-iranian-defense-facility/
イラクからイラン国境で武器搬送のイラン軍コンボイ爆破
その後、イラクからシリアに向かう国境付近で、武器をヒズボラに搬送しようとしていたとみられるイラン軍のコンボイが空爆を受けた。Times of Israelの情報によると、25台のトラックがシリア領内へ入ったところであったという。
運転手に車から離れるよう警告がなされたあと、攻撃が実施されていた。この攻撃でイラン関係者など10人が死亡したとのこと。
この件についても、イスラエルはノーコメントだが、ヒズボラ向けと見られるイランの武器搬入を、イスラエルが今回のように阻止することは、初めてではない。もう数百回に及ぶともみられている。
イランと中東・世界へのメッセージ:アメリカとイスラエルの共同軍事訓練
アメリカは、ウクライナにおけるロシア対策に忙しい。加えて、中国問題もあり、手一杯となっている。そうした中、先進国とイランとの核開発関係の合意はもはや、不可能な状況になりつつある。
その背後で、イランは、核兵器開発を続けており、イスラエルにとっては、最大の懸案で、その危機感はいっそう高まっている。特にネタニヤフ首相は、以前にもイラン国内への攻撃も実施した経験を持つ。
そのイランはロシアへドローンなどの武器支援を行なっており、アメリカにとっても、大変、危険な存在である。
こうした中、先週、アメリカ軍とイスラエル軍が、史上最大ともみられる共同軍事訓練を1週間行い、26日に終了したと発表していた。
ジュニパー・オーク2023と呼ばれるこの訓練には、イスラエル軍から1500人、米軍から6400人が参加し、使われた軍用機は140以上、軍艦は12隻とこれまでで最大級の演習であった。
将来、イスラエルがイランの核兵器を攻撃する際には、途中で燃料を給油する必要があるが、今回行われた訓練の中には、アメリカの給油機から、イスラエルの戦闘機へ給油する訓練も含まれていた。これにより、イスラエルは、イラン上空にまで行って、各施設を攻撃する能力があることを示した形である。
また空軍だけでなく、特殊部隊の砲兵訓練や、ロケット発射訓練も行われた。
アメリカは、訓練の対象はイランだけでなく、地域全体からもっと幅広い敵対勢力に対するメッセージになる可能性があると言っていた。中東における、米軍とイスラエル軍の共同演習は今後も続けられるとのこと。
世界最強で、技術的、経済的にもトップレベルの米軍とイスラエル軍の共同演習であり、この直後に、イランのドローン施設が大爆発したわけである。
イランやロシアへの大きな釘になったか、さらなる反発心をつみあげたか。。。世界はなにやら、沸騰しはじめているような感じである。