9日、イスラエルのヘルツォグ大統領夫妻が、トルコのエルドアン大統領の招きに応じる形で、トルコを公式に訪問した。
イスラエルとトルコの首脳が直接会うのは、2008年以来、14年ぶりで、歴史的なできごととなった。
しかしながら、トルコとイスラエルは、中東の中では、唯一の民主国家として、良い関係を結んでいたのである。それを一方的に方向転換し、国内のイスラム化をはかり、急にハマスへの支援まで始めたのは、エルドアン大統領、その人である。
トルコに見捨てられたイスラエルは、しばらくの間、厳しい孤立を経験させられたのであった。ところが、それをひっくり返す出来事が起こる。ハイファ沖に発見された天然ガスである。これをめぐって、イスラエルは、ギリシャやキプロスとよい関係になることができた。
今のロシアとウクライナの問題で、ヨーロッパに厳しいエネルギー不足が予測される中、もしかしたら、このイスラエルの天然ガスが注目されはじめる可能性もある。
こうした動きがあったこの14年ほどの間、トルコは、経済的にもかなりの打撃を受け、問題も山積みとなった。今、急に気を変えて、イスラエルともういちど仲直りしようとしているわけである。無論、トルコとは仲良くしておくほうが、イスラエルにとっては現実的には好ましいので、過去のことはすっかりわすれて、ヘルツォグ大統領は、喜んでこの招待を受けたということである。
トルコでの24時間の滞在中、ヘルツォグ大統領は、エルドアン大統領と会談した他、ヘルツォグ大統領夫人えミーンさんと、国立図書館を訪問している。また、ヘルツォグ大統領府夫妻は、イスタンブールにある壮大なシナゴーグを訪問している。
会談の内容や、その分析はまた別の記事でと思う。しかし、先ほど入ったニュースによると、仲直りの印に、トルコは、イスラエルにとっては非常に貴重なダビデの町の、ヒゼキヤトンネルに関する考古学発掘物を、イスラエルに返還するとのことである。トルコの本気がうかがえるかもしれない。
しかし、トルコ国内では、イスラエルとの関係改善に反発する人々もおり、イスラエルの旗を路上で燃やすなどの動きも伝えられている。
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